えこひいきする上司は、ひいきにしてる部下にだけ「異様に甘い」です。かたや、ひいきにしていない人には「信じられないぐらい厳しい」のです。
「いやいや、えこひいきっていうレベルちゃうぞ!」と叫びたくなる人もいますよね。えこひいきする上司は、仕事なんかよりもえこひいきのほうを重視している節もあります。えこひいきする上司の心理と対処法です。
えこひいきする上司の心理
えこひいき(依怙贔屓)とは、簡単に言えば「不公平」という意味です。そのため、「公平にされていない人が怒るのは当然」。自分は全く評価されず、仕事のできない同僚や部下が評価されると、誰だって気持ちが萎えます。
ただ、「もう辞めたる!」と辞表を叩きつける前に、「どうしてあからさまに」えこひいきをするのか、上司の心理状態を見てからでも遅くはありません。
常に誰かと一緒に行動したい
えこひいきする上司の心理として、一番大きいのが「気が小さい」という心理状態。常に「誰かと一緒に行動」したり「自分の考えを誰かと同調」してもらいたがります。
まるで小学生の「一緒にトイレ行こうよぉ」という感じ。「群れたがり」ですね。
1人では何もできない、学生時代の面影が大人になってもくっきり浮かび上がっています。そのため、逆に「自分が除け者にされるのは絶対に嫌」なのです。
細かい相談やどうでもいい飲み会の席順にまで口を挟んできます。とにかく人間的に細かい人と言えます。
えこひいきする上司は、「都合の良い部下」が大好物です。一緒にトイレ行こうぜ!と上司が言ったときに、「いや、さすがにそれはキツイっすね」と部下から言われたら、直ぐにふてくされるのです。
また「えこひいきしないと、自分への求心力が保てない」ので、必死でえこひいきします。「仲間外れにされるのが嫌」なので、ずっとえこひいきしなければいけません。
えこひいきする上司は、1人で何かを解決したり、リーダーシップを取ったりしません。長渕剛の「Captain of Ship」をじっくり聴いてこいと。話はそれからなのです。(※参考:Captain of the Ship(YouTube))
えこひいきする上司は、常に「なぁなぁの状態」で、自分のお気に入りの部下たちと一緒に行動をします。えこひいきしなければ、自分には誰もついてこないだろうと薄っすらと気づいているので、必死でえこひいきをします。
好き嫌いがはっきりしている
えこひいきをする上司は、「好き嫌いがはっきりしている」のが特徴です。そうでなければ、「えこひいき」なんかしません。
普通は社会人になったら、自分と相性の悪い人とも「それなりに上手く」やっていくものです。お互いに表面上だけの、何の実りもない会話をするのが社会人です。
それがえこひいきする上司の場合は、「自分よりも立場の低い部下」に対して好き嫌いをはっきりさせるのでたちが悪いです。
えこひいきされていない人から見ると、「なんて幼稚なんだ・・・あのカスは」と思うわけです。
好き嫌いがはっきりしている上に、「粘着質」でもあります。一度でも自分と対立した部下のことは、定年退職になるその年までずっと嫌いなまま高値をキープしています。たとえ、途中で役職を抜かれたとしても、ずっと嫌味ったらしくぐちぐち言ってきます。
えこひいきする上司は「グレーゾーンがない」のです。心の余裕がないのが、そのまま人間関係にまで出ています。「自分の味方か敵か、はっきりさせておきたい」と考えています。
実はこういう人は、「グレーな部分を認めることができない器の小さい人」なので、直ぐに好き嫌いで他人を分類します。どーんと構えることができません。
短期的な利益しか見えてない
えこひいきする上司は、「役職の力を勘違いしている」状態になっています。心理状態として、「この先もずっと、自分が上司の状態が続くだろう」と考えています。そのため、あからさまにえこひいきをするのです。
えこひいきをするのは、上司の立場からするとラクですが、それでは上手く回りません。えこひいきされていない人からの不平・不満は溜まっていきます。
さらに、「いつか自分がえこひいきしていなかった部下に出世で抜かされる可能性」も十分あるのです。ひどいえこひいきをする上司は、この部分を甘く見ている傾向があります。
ただ単に「今がたまたま上司」なだけで、そのまま最後までずっと上司のままで終わることのほうが難しいです。
えこひいきする上司は、「短期的な利益(部下と仲良くしたいなど)」しか見えていません。えこひいきをしていた部下が会社を辞めたり、異動することもありますし、自分が出世できないこともあります。
そうしたときに、特定の人ばかりえこひいきしていると、「痛い目に遭う」というところまで頭が回っていません。
さらに、えこひいきする上司の心理は、「しっかりとした基準がない」ので、部下に注意をするときも「矛盾」が出てきます。
同じ失敗をしても、Aくんのときは注意しなかったのに、Bくんには注意する、といった具合です。こういう「不公平」なことをされると、Bくんが不満を持つのはもちろんですが、「周りの人たち」も良い気はしません。
「あいつはホンマにあかんわ」
このような「あからさまなえこひいき」を見せられると、周りの人たちもえこひいき上司への信頼がどんどん薄れてきます。
えこひいきする上司への対策法
職場にえこひいきする上司がいる場合の対処法です。何も対策をしなかったら、えこひいきする上司はさらに図に乗ってきます。徐々に社内での自分の立ち位置が危うくなる場合もあるので、何らかの対策を打つ必要があります。
えこひいきされていない同盟を組む
えこひいきする上司は、すでに「えこひいきをしている部下」という仲間がいる状態です。このときに、「自分一人で立ち向かうで!」と気合を入れても良いことはありません。多勢に無勢です。さらに相手は上司なので、職場では権限や立場的に「非常に不利な戦い」と言えます。
そのため、周りにいる「自分と同じようにえこひいきされていない人」を見つけて、「やってらんないよね、缶コーヒーでもいる?」と同盟を組む必要があります。
自分の仲間も作っておかないと、「気づいたら自分だけ仲間外れにされている状態」になりかねません。まずは「えこひいきされていない人」を見つけて、がっちり上司に対抗する土台を作りましょう。
1人で上司と対抗するのは厳しいですが、複数人いると心強いです。また、えこひいきしている現場を見たときに、誰かと思いを共有できるだけでも随分心持ちは変わってきます。
要は「1人でえこひいき上司と対峙してはダメ」ということです。
えこひいきされるように努力する
次は、「私はえこひいきされるように頑張んで!」という対策。いっそのこと、向こうサイドに行くほうがラクなときもあります。それはそれで、「戦略的えこひいき」として、受け入れても良いです。
えこひいきする上司が嫌いなのは、「自分がえこひいきされていないから」という場合も多いです。
「自分がえこひいきされているときは、えこひいき上司が気にならない」と感じることがほとんどです。
そのため、変にえこひいきする上司を見てイライラするよりも、「ここは向こう側に行く」と考えるのも、職場で長く仕事を続けていくためには必要な能力です。
恐らく、多くの社会人は積極的ではないにしろ、「消極的な対策」として、この「えこひいきされるようにしている」のではないでしょうか。
「何で俺がカスみたいな上司にヘコヘコしてお世辞を言わないとダメなんだ!」と夕日に向かって叫んだところで、何も変わらないので、現状は上司の勢力圏内に入ったほうがラクな場合もあります。
上司よりも出世する
一番良いのは、「上司よりも出世する」という対策です。自分の能力に自信がある人や、明らかにえこひいきする上司の能力が低いときは、ストロングスタイルで行っても問題ありません。
えこひいきする上司が気になるのは、「相手が上司だから」です。自分の部下が、そのまた部下をえこひいきしていたところで何も気になりません。「やってんなー」ぐらいです。
今まで嫌いだった上司のことが気にならなくなる「一番の特効薬が出世」です。肩書が変わった瞬間に「スッ」と今まで嫌いだった上司なんか眼中に入らなくなります。
「あの人は、あそこ止まりの人だよね」みたいな感じです。
現在えこひいきをしている上司への怒りを仕事へと変換することで、「周りよりも高いモチベーションでエネルギッシュに仕事ができる」ので、出世の確率は高くなります。
やはり、負のパワーもパワーには変わりないので、それをできるだけ「建設的で良い方向に変える」のが最も王道で良い対策なのではないでしょうか。