新人教育のポイントは
毎年毎年、4月になると新人が入ってきます。それも基本的には「やる気をみなぎらせて」います。いや、「懲役40年・・・」という暗い気持ちで入ってくる新人もいますが、大半は肩をグルグル回しながら入ってきます。
そして、新人が緊張しているのはもちろんですが、教育担当も実は緊張しています。
「はぁ、俺の番か・・・。メンドクサイ奴がいなかったらいいけど。しっかり出来るかな」
制度的に、研修制度(OJT)がしっかりしている会社はいいですが、個人の裁量によって任せられる会社もあるのではないでしょうか。
教育担当者は、少しぐらい厳しく言っても「どうせ辞めないだろう」と考えがちですが、最近はそんな甘えたことを言ってられません。
自分の担当している新人が「次から次へと辞めていく」というのは大問題です。そして、何も知らない新人に仕事を一から教えていくのはとても根気がいる作業です。
その際の新人教育のポイントを挙げていきます。
新人教育の大きな前提として、「異性の新人を意識しすぎて『恋愛関係になりたい』」と考えるのが一番まずいので、しっかりと心に刻んでください。
合理的に教える
若い20代の新人は「合理的な事」を好む傾向があります。しかも短期的な合理的なこと。長いサラリーマン生活の上で大事なことと言うよりかは「今のこの作業」の合理性を求めます。
教育担当者からすると、最初は「仕事をする上での哲学なこと」を言ってしまいたくなるものです。
「うーん、仕事っていうのはね・・・」と仕事はどういうものか、というのをしたり顔で言いたくなります。しかし、それは我慢したほうがいいです。
さらに、作業面で言うと「今はまだ全部教えてもしょうがない」と新人に対して「仕事の全体像」を伝えない教育担当者も多いです。「取りあえずその仕事をしといて」といった具合で。
後になったら、その仕事の意味も分かるようになる、と後々、東野圭吾ばりの伏線回収をしたいという考えもわかります。
ただこのような、フワッとした指示は新人を混乱させる場合が多いです。もっと具体的な指示を出したほうが良いです。
新人の場合、一つの仕事が終わると「フリーズ」していることがあります。本来なら、一つの仕事が終わると「○○さん、シュウマイにグリーンピースを乗せる仕事が終わりました!次は何か出来ることはありますか?」と新人のほうから言うべきなのですが、気を使っているのか、「指示をじっと待つ」新人が多いです。
これは指示するほうにも問題があります。新人に振った仕事が終わったら「いつでも声を掛けて」と最初に言う必要があります。ここでいう合理性とは「新人側から見た合理性」であり、教育する側の合理性ではありません。
自分が新人だったころと比較しない
今、30代から40代の世代の人たちはまだ「根性世代」ですよね。学生のころに、「教師からゲンコツされた」経験や部活での「シゴキ」も経験した人は多いのではないでしょうか。
私も先輩から無意味に走らされたり、体育の先生からゲンコツをされて「アイテテ」となったこともあります。
ただ今は違います。
根性論は通じません。「それって何の意味があるんですか?あなたの感想ですよね?」とひろゆきみたいに言い返されます。
自分たちが新人時代にされてきた教育を、今の若い世代に押しつけてはいけません。さらに記憶というのは本当に曖昧なので、自分の過去を「自分が想像している以上に美化している」可能性もあるのです。
なので、自分のときはこうだった、という感覚で新人教育をしてはダメです。むしろ、自分が新人だったころを思い出して、新人教育改善させていく方向に変えていきましょう。
新人教育を進めていくと、「あいつは何度も同じミスを繰り返す」とか「要領が悪い」「とにかく言われたことだけしとけよ」と思うこともありますが、そこを丁寧に接していかないと、自分には何も情報も上がってこなくなります。
新人教育はなかなか目に見える結果が出づらい分野ですが、新人のほうは若いころの記憶は結構いつまでも覚えているものです。そのため、何年か経って、「新人のころは○○さんにお世話になりました」と言われることも出てきます。
新人教育はミカンや機械を作っているわけではないので、それぞれの会社や新人たちによっても教育の仕方は変わってくるかと思いますが、「相手を尊重して真摯に接する」という姿勢が一番大事ではないでしょうか。
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