会社という組織にいると、本当にいろいろな人が在籍してますよね。信頼できる上司や出世争いをしている同僚、または仕事がやりやすい部下など。
そしてなかには全く気が合わない人や、生理的に受け付けない人もいます。そういう人が上司の場合は比較的多いです。むしろ普通は大体そうです。このような場合は、同僚同士で上司の悪口を肴に酒を飲むことでストレス発散ができます。まあ、皆も被害受けてるし仕方ないか、、、と諦めることができます。
しかし、逆の場合はどうでしょう。上司が部下に対して「逆パワハラ」をされている場合。部下が言う事をきかないのは当たり前、馬鹿にされたり無視をされたりしていたら・・・。
これは上司からのパワハラよりキツイときがあります。また、誰かに相談もしにくいと現象なのです。自分の友人や同僚、家族に
「いやー、部下からの逆パワハラがきつくてさー。困っちゃうよねぇ」と言える人はほとんどいません。
上司が部下に逆パワハラされ仕事を辞めたいと感じるケースがある
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実はこういった逆パワハラは、最近、増えてます。何も珍しいことではないのです。それも若い世代、20代部下からの逆パワハラが多いです。この世代は、何事も合理的に考えすぎていて、妙にプライドも高いです。
それに、別に上司だろうと「関係なく自分の意見を言う」人も多いです。これは「離職率の高さとも関係」しています。つまり「どうせ辞めるし、何であんたに偉そうなこと言われなあかんの?」という感じです。
それに対して、本来は上司という立場なので、ガツンと対応をしたら済むのですが、そうできない人もいます。そして、そういう人は往々として「グッとこらえて」しまう傾向にあります。
そのまま亀のごとくグッと耐えることができたり、自分ひとりでその状況を改善できる場合は良いのですが、「もうどうしようもない。仕事を辞めたい」というところまで追いつめられてしまう場合もあります。そうならないためにも、こういうことは「できるだけ早い段階で対処」することが大切です。
程度の差こそあれ、社会人になり、出世していくと誰でも一度ぐらいは経験する部下からの「逆パワハラ」。その対処法3つです。
①オドオドしない
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仮にですが、今、部下から逆パワハラを受けている人は、「他の職場に行ったとしても、逆パワハラを受ける心配はないですか?」ということです。たまたま、今の職場環境が悪くて逆パワハラを受けているのでしょうか。
こういう不安というのは態度に出ます。そういうのを気にしすぎることによって、逆に態度に出てしまうのです。
そして、逆パワハラをする部下は敏感にそういうのをかぎ分けるのです。
「あの人は大丈夫そうだ。馬鹿にしよう」と。まさにハイエナのように。
そして、徐々に馬鹿にされたり無視されたりするようになっていくのです。このような時は、むしろ堂々としていればいいのです。
少し不幸な場合があるとすれば、「明らかに自分より部下のほうが能力がある」という場合。周りにいる人たちもそのことに気づいていて、「なんで、あの人があのポジションに?」という状態です。さらに、その優秀な部下がガンガンに逆パワハラをしてくるとき。
この状況の時は「部下が正論を言っている」場合も多いのですが・・・。
しかしこういうときも、オドオドしないで堂々としたほうがいいです。仕事での能力なんて、どれが良くてどれが悪いというのは、人生という大きな物差しで測ると、一概に「これ!」とは言えません。仕事のなかの一つの分野が優秀でも、他の所ではまるでダメということもよくあります。
それに表立って上司に逆パワハラをする部下も、人望はないです。他人の文句ばかり言っている人には誰もついていこうとは思いません。
このようなときは、職場では自分のほうが立場が上というのを意識しましょう。堂々とする、ということは「ゆったりとする」ことでもあるので、「意識的にゆっくりと行動や発言をする」ということになります。これだけでも随分と違ってきます。態度から人は性格も変わってきます。あとは「ゆっくり大きな声で話す」のが良いです。
部下からすると、自分が嫌味を言っても相手が堂々としていると「いじめ甲斐」がないのです。馬鹿な部下が何か言ってるな、ぐらいの感覚で対応しましょう。
②嫌味はユーモアで返す
どこの世界でも「笑い・ユーモア」というのは重要です。周りが見えていて、余裕がないと「笑い」は言えないですよね。部下からの度を越した突き上げなどを食らった場合でも、それに対して真剣に、唇をプルプル震わせながら感情的に反論してもダメでしょう。
正論で論破しようとするのはダメです。こういうときに大事なのは、正論で反論することではありません。一歩引いて、部下からの嫌味に対して「うまく返す」のを考えます。うまいことを言い返すゲームをしている感覚です。
部下がドヤ顔で逆パワハラ発言や態度をしてきます。このときに余裕のあるユーモアで返すと、相手にはクリティカルヒットします。逆に相手の唇がプルプルと震えてきます。
もしかしたら、周りにいる同僚から「ちょっと、だれか○○さんに座布団一枚持ってきて」と言われるかもしれません。
逆パワハラは、正面からがっぷり四つで取り組むよりかは、かわしながら対応したほうがいいです。かまっていると、余計に向こうが調子づくこともあります。
③気にしない
これができたら苦労しない、ということなのですが、最終的にはコレが一番です。周りにもいないですか?部下から「かなり激しい逆パワハラ」を受けているのに平然としている人。もしくは、逆パワハラを受けている人にすれば、「よくできるなー」と思う「普通にパワハラをしている人」。
そういう人を見て、貴方はどう感じるでしょうか?おそらく「何とも感じていない」のではないでしょうか。
つまり、そういうことなのです。客観的に見たら、いま貴方がされている部下からの突き上げも、周りから見たら大したことではないのです。もっと言えば、その逆パワハラをしている部下も「何とも感じていない」可能性が高いです。
そうなると、そのことで敏感になっているのは「貴方だけ」ということもあり得ます。
いちいち部下からの逆パワハラに対して「キーッ!」とハンカチをくわえていては、自分の精神もハンカチも持ちません。ストレスは一番身体によくないです。そういったことに体力を使うよりかは、一生懸命仕事に取り組んだほうがいいです。そういった姿勢は、その文句を言ってくる部下も、その周りの人たちも見ています。特に周りに人たち。
逆パワハラをしてくる人より、周りにいる人たちへのアピールが重要です。
そうすることによって、徐々に部下からのパワハラもなくなっていきます。一生懸命働いている人に対して逆パワハラをし続けることは、その逆パワハラをしている人の評価を落とすことになります。
またこのような状況から「正々堂々と」脱することができたら、それはその人にとって大きな経験になることは間違いありません。人としての厚みが出てきます。
「考えすぎ」の場合もある
もっといえば、「その程度のことって普通じゃない?逆パワハラと過剰に反応してるだけじゃ・・・」ということはないでしょうか。例えば「自分だけ飲み会に誘われず、後輩たちは全員参加したようだ」とか。
これは私も実際に経験しています。しかも何度も。しかし、これはしょうがないです。後輩たちも、上司や先輩がいないほうが気楽にお酒を飲めるのは間違いありません。
この「自分だけ飲み会に誘われない」ことも、私は「まあ、そっちのほうが良いだろう」と考えています。これを「え、、、俺だけ呼ばれてないけど、、、同僚なんだからみんなで一緒に、、、いじめじゃないかコレは。。。」などと深刻に考えすぎると「落ちて」いきます。部下たちだけでこういったガス抜きというのは大切です。
あとは「言い返された」や「無視された」です。
「言い返された」というのは、あなたの指示の出し方が悪かっただけかもしれません。体育会系の部下なら「適当にやっといて」だけでも十分なのですが、IT系の場合だと、できるだけ合理的な説明を欲しがる人も多いでしょう。
また、若い20代の人に指示を出すときは、しっかりと伝えることによって「言い返される」ことは少なくなります。「普通に考えたらそうするしかないよね?」と持ち込むわけです。また言い返されても、過敏に反応してはいけません。
「無視された」というのは、意外とよくある光景です。上司が部下に「あの資料だけど、今週中に仕上げておいてよ」と言っても、無視されたりすることは比較的よくあります。これも部下のほうからすると「そんなん分かってるわッ!」という「返事に値しない質問」だったから無視しているかもしれません。
そうではなく、「意図的に完全に無視」されている場合は、それはそれでいいじゃないですか。静かな環境で仕事に打ちこむことができます。仕事のやり取りも「メール」にすることによってお互いに喋ることもなく、また文字に残すことによってお互いに変ないざこざをなくすこともできます。
お互いにストレスを抱えてまで無理に話すこともないです。社会人になると、結構いますよ。口も利けないぐらい仲が悪くなる人。
それでも、「どうしても話したい」という場合は、上司のほうから話しかけましょう。変な意地を張って「向こうから喋ってくるまでは絶対に喋んないんだからねッ!」と考えるのは学生で卒業です。戦略的妥協が必要なわけです。相手に少しだけ花をもたせてあげるぐらいの気持ちです。
ここで変に「あのさ、昨日のドラマ観た?」と愛想笑いを浮かべながら早口で話しかけるのではなく、「仕事の業務連絡」から話していくほうがスムーズに行きます。
最初は相手に無視されたとしても「業務連絡」なので、ずっと続けていくといつか雪解けします。とにかくコミュニケーションを取り続けるということが大切です。
逆パワハラ問題は「企業に取り組む責任」がある
厚生労働省職場でのいじめ・いやがらせなどに関するWGでも、こういった職場でのパワハラについては話し合われています。
このなかで「企業側がその深刻さに気付いていない」という指摘があります。つまり、企業側にも貴方が逆パワハラをされている環境を整える責任があるのです。
今の時代、「人間関係なんて本人同士の問題」と放置することができないです。企業のほうにも、人間関係を整えることが求められていて、そういう判例も出ているということです。
こういったことも冷静に考えないといけません。度が過ぎた逆パワハラというのは企業的にも軽視できないのです。企業のほうにも責任を問えるようにするには「逆パワハラされた事実」を客観的に集めて会社側に報告し対応してもらうのが現実的な対応法です。
やはり、ICレコーダーなどで「証拠」を抑えておくことは実際に行動するときには非常に重要だということです。つまり「こんなこと言われました!」と言うだけではダメで、「こんな証拠があります」というほうが説得力が生まれるのです。
ただ、現実的には会社に報告するとなると「かなり気まずい」と思うので、実際は退職する前に報告することになると思います。また「録音している証拠を持っているだけでも気が晴れる」こともあり得ます。それでも「世直し」としてやるべきことはやる、というスタンスも全然アリです。