世の中には、なにか「感じが悪いなー、なんかおかしいなー、怖いなー、怖いなー」と思わせる人がいます。明確な暴言や態度の悪さではなく、何となく人を不快にさせるオーラを漂わせています。
ただ、こういう「そこはかとなく感じる邪気」という直感は、実はかなり正確なことが多いのです。無理して付き合いを続けると、精神的な負荷が積み重なってこちらがダウンしてしまいます。そこで今回の記事では感じの悪い人の特徴と接し方についてご紹介します!
専門家の意見:「感じが悪い人」は無自覚に他人を傷つける
コミュニケーション専門家で心理カウンセラーの宮本玲奈氏は、「感じが悪い人」について次のように解説しています。
「そこはかとなく感じが悪い人は、多くの場合、自覚なく相手に不快感を与える態度をとっています。特に、自分中心で無神経な言動や、些細な嫌味を無意識に放つことで、徐々に相手を傷つけてしまいます。」(参照:宮本玲奈 心理カウンセラー・コミュニケーション専門家)
こうした人たちが持つ特徴を、第一印象と長期的に付き合って気づくタイプに分けて、詳しく見ていきましょう。
第一印象で感じが悪い人の特徴
表情が硬く、笑顔を何者かに奪われてしまっている
第一印象で感じが悪い人は、たいてい表情が硬く、笑顔が少ない傾向があります。話しかけても無表情で、相槌を打つこともなく、どこか冷たい印象を周囲に与えます。その結果、第一印象が悪くなり、「あまり関わりたくないな。誰かに笑顔を取られたんじゃないか?」と思われてしまいます。
本人に悪意はないかもしれませんが、表情の乏しさは相手に「自分は歓迎されていない」という感情を抱かせ、自然と距離を取られる原因となります。
初対面から態度が上から目線である
初対面にもかかわらず、妙に上から目線で来る人もいます。批判的でシニカルな口調の人も、感じが悪いと思われる典型です。「わたしは偏差値70超えてます。あなたはどこの大学ですか?」など、中年になっても「異常に偏差値や学歴」にこだわったり、「年収3000万、よろしく」みたいなやたらお金持ちアピールを初対面からしてくる人もいます。
こうした下品な人たちは無意識のうちに自分を上に見せようとするため、周囲の人々は初対面から「この人とは合わない」と直感的に感じてしまうのです。
会話の反応が薄く、相槌をする気がない
感じが悪い人は、会話をしても反応が薄く、相手を盛り上げることが苦手です。「へぇ!」「そうなんだ!」程度の相槌も打ちません。「・・・はぁ」のようにため息みたいなよく分からない言葉を発してきます。そもそも反応が遅いので会話が続きません。「相手を楽しませようとするサービス精神が全くない」とも言えます。
本人は意図していないとしても、この無関心な態度が周囲に伝わり、第一印象を大きく損なうことになります。
長く付き合ううちに徐々に気づいてくる感じが悪い人の特徴
さりげなく他人の意見を否定し続ける
最初は感じが良かったのに、付き合いが長くなるにつれ、徐々に感じの悪さが出てくる人もいます。そういう人は、相手の意見や考えを日常的にさりげなく否定する特徴があります。「でも」「それは違うよね」といったフレーズを頻繁に挟むため、長期間にわたって関わるとムカつくようになってきます。
こうした態度が積み重なることで、あるとき「あれ、この人って薄っすらずっと否定してくるな」と気づき、徐々に離れるようになります。
皮肉や嫌味を織り交ぜて会話する
長く付き合っているうちに、少しずつ皮肉や嫌味を挟んでくる人もいます。本人は冗談のつもりで言っていることが多く、直接的な批判ではないため、指摘もしづらいのですが、言われた側は徐々にストレスを感じるようになります。
「あなたはいいよね、何もストレス感じてなくて」とか妙にマウントを取ってくるような発言が多いのです。
こうしたさりげない嫌味は、相手をじわじわと精神的に追い詰め、付き合いが長くなるにつれて「こいつはアカンわ。繊細さのかけらもない」と離れるきっかけにもなります。
自分の話ばかりで人の話を聞かない
長期的に感じが悪くなる人には、自分の話ばかりする傾向もあります。相手が話をしようとしてもすぐに自分の話にすり替えたり、他人の話を「へー」「ふーん」「ほー」などと聞き流します。右から左へそのまま聞き流しているのです。そのため、「自分はただのストレス解消のグッズとして使われているんじゃないか?」と感じるようになります。
最初は気にならなかったとしても、時間が経つほど「相手のストレスが自分にも負荷がきてる感じがする」となるのです。こちら側だって「会社にいるムカつく同僚の話」をしたいのに、「こちらの話を聞く様子が一ミリもない」と「ギブアンドテイクの精神がなっとらんわ」とムカついてきます。
感じが悪い人との上手な接し方
感じが悪い人に出会ったとき、多くの人が悩むのが「接し方」です。相手が明確に攻撃的な態度を取るなら、はっきりと距離を取れば済みますが、こうした人は微妙な言動が多いため、特に最初のうちはどう対処すべきか悩みます。そこで、上手な接し方について見ていきます。
直感を信じることの重要さ
まず、何より重要なのは自分の直感を信じることです。感じが悪い人は、はっきりとした「悪い部分」が分かりにくいです。具体的に何をしたかという証拠がない場合も多いため、ちょっと話してみて「この人とは合わない気がするぞ、ゴクリ」「何となく目つきの感じとか嫌だ」など直感的に思った時点で、まずはその直感を信じましょう。
心理カウンセラーの宮本玲奈氏も、直感の重要性について次のように述べています。
「直感とは、自分の過去の経験や無意識の情報処理が瞬時に行われることで生まれる感覚です。つまり、『なんとなく感じ悪い』という直感は、実は自分の中で非常に正確な危険信号です。そのため、自分の直感を無視せず、それを行動に活かすことが精神的ストレスを避けるために重要なのです。」(参照:宮本玲奈 心理カウンセラー・コミュニケーション専門家)
「長く付き合えばいい人かもしれない」と思い込むより、自分の感覚を大切にすることで余計なストレスやトラブルを回避できます。
接する距離感を明確にする
感じが悪い人に接するときは、「適度な距離感」を明確にすることが大切です。距離感を曖昧にしたまま無理に仲良くしようとすると、相手の嫌味や無神経さにどんどん巻き込まれてしまいます。
業務上など、どうしても関わらなければいけない場合以外は、できるだけ接触を減らしましょう。接触頻度を減らすことで、相手が与える精神的な負担を最小限に抑えることができます。
相手のペースに飲み込まれない
感じが悪い人は、無意識のうちに周囲を自分のペースに巻き込みます。その人のネガティブな感情や嫌味な発言などにこちらが振り回されてしまうと、精神衛生上良くありません。
感じの悪い人がイライラしていたりしていたとしても、「あの人はいつもああいう感じだから。どうせ周りのことなんて何も考えてない」と客観的に捉えることで影響を受けることはありません。相手のペースに飲み込まれず、自分の感情を安定させることが重要です。
「相手を変えること」を期待しない
感じが悪い人に対して、「自分が何とかして相手を変えてやろう。慈愛に満ち溢れている私ならば出来るだろう」と考えるのは逆効果です。こうした人は自覚がないことが多く、周囲がどれほど慈愛に満ち溢れていても改善しません。
「この人はこういう感じが悪い性格なんだ。私の人生の貴重な時間をこんな人のために使うのは、もはや罰ゲーム」と割り切ることで、ストレスが軽減されます。変えられないことを前提に、適度に距離を取るほうが建設的な関係を築けます。そして距離を取ることに対して、意味不明の方程式を解いて自己嫌悪になってもいけません。
まとめ
「感じ悪い人」については、「自分の直感を信じること」が最も重要です。誰かに会った時に「あれおかしいなー、怖いなー怖いなー」と感じたら、その直感を無視せずに、適度な距離を取るようにしましょう。
感じが悪い人は、自覚なく周囲を疲弊させます。彼らを変えようとするのではなく、自分自身が影響を受けないようにすることが一番の対策です。
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