仕事が楽しいと大きな声で言える人はどのぐらいいるのでしょうか。駅にいる会社員の顔を見ると
「死にそうな顔をしている人」もチラホラ見かけます。
そんななか、「仕事が楽しいなぁ、幸せだなぁ」と言っている人が近くにいたら
「ちょっと頭おかしいじゃないか?」と疑いたくなりますよね。しかしなかには仕事が楽しいと真剣に思っている人はいます。
どんな仕事であれ、ある人にとっては死ぬほどつまらない仕事でも、別の人にとったら楽しい仕事ということもあります。
人生の約3分の1は仕事をしています。その時間を「この世の終わりのような顔をしながら働くのか」「仕事が楽しいと感じながら働くのか」長い目で見たら随分変わります。
ただ楽しい仕事を見つけることができて、その仕事に才能があり、その楽しい仕事で十分に生活できるというのは非常に稀です。
大抵は上記の三つの条件「楽しい仕事が見つかる」「その仕事に才能がある」「その仕事でお金が稼げる」のうち、どれか一つか二つ欠けていることが多いです。
仕事が楽しいと感じる時とは
仕事が楽しいとは、仕事をしていて、その仕事について満足している状態ですよね。また他人が決めるものではなく、あくまでも自己評価です。
他人から見たらつまらなそうな仕事でも、本人が「楽しい」と思っていたらそれでいいのです。また仕事が楽しいと言っても、いろいろな意味合いがあります。
例えば、職場恋愛をしている状態だと、毎日職場に行って自分の好きな彼女や彼氏と一緒に仕事をするのは楽しいはずです。
他の職場の同僚からはバレずに二人が付き合っているとしたらめちゃくちゃ楽しいですよね。不倫なんかの場合は特に。
また仕事内容はつまらなくても、職場の人間関係が良いと「仕事が楽しい」という人もいるのではないでしょうか。
つまり100%仕事が楽しいのではなく、割合的に50%以上仕事が楽しいと感じたら、心の中の多数決で「仕事が楽しい」という状態になります。
このように考えると、「仕事が楽しい(どちらかと言えば)」と感じる人は増えるのではないでしょうか。
楽しい仕事だから仕事が楽しい?
仕事が楽しいと言う人は「その仕事自体が魅力的・クリエイティブなものだから」という考えもありますよね。つまり仕事自体が楽しいのだと。
それでは、クリエイティブな仕事が出来たら、誰でも「仕事が楽しい」と感じるのでしょうか。つまり仕事が楽しいと感じるのは「職業によって違う」のでしょうか。
職業によって仕事の楽しさは変わるのか
例えば、テレビに出ている歌手。一般的には「歌を唄ってお金をもらえるなんていいなぁ。楽しそうだし」と思いますよね。
テレビ画面では、にこにこしながら歌っているアイドルが多く映っています。ただアイドルのなかにも最近では「自分のしたいことと違う」とアイドルを引退する人もいます。
簡単に言えば「アイドルの仕事が楽しくないから辞める」ということですよね。
周りから見ると楽しそうな仕事でも、実際にやってみると全然楽しくないこともあります。やたら責任が大きかったり、その割には稼げないなど。
また楽しそうな仕事は往々にして「競争率が非常に激しい」です。みんな出来ることなら、歌手になって唄うだけで生活したいですし、クリエイティブな仕事に就いて毎日楽しく生活したいと思っています。
最近ではユーチューバーもそうですよね。誰でも始められますし、誰もが
「ヒカキンみたいになりたい!」と何となく始めるのではないでしょうか。ヒカキンの動画を見ると、毎日楽しそうにしているので「自分もユーチューバーになったら楽しく仕事ができて、そこそこ稼げるようになる」と。
ただ現実はそんなに甘くありません。ヒカキンはあそこまで上り詰めるのに、毎日のように動画撮影をして編集をしています。それを365日。
またユーチューバーの仕事も楽しいことは間違いないのですが、「その楽しい仕事に才能がないとつらい」です。残念ながら人には向き不向きがあるので、誰もがヒカキンにはなれません。
無名の人が「激辛チャーハンを食べてみたwwww」という動画を作っても再生回数10回ぐらいではないでしょうか。
信じられないぐらい少ない視聴回数に愕然として、楽しい仕事であるはずのユーチューバーからも撤退することになります。
こういったことからも、楽しそうな仕事だから楽しいとは一概に言い切れないですよね。
気持ちが楽しいと仕事も楽しくなる
「面白き事もなき世を面白く すみなすものは心なりけり」。これは高杉晋作の有名な辞世の句で「面白くない世の中を面白く。それを決めるのは自分の心次第だ」という意味です。
明治時代の偉い人もこう言っているので、仕事でもそうですよね。
高杉晋作は「尊王攘夷の志士」として活躍していたので、かなりエキサイティングな仕事をしていたのは間違いありません。そんな人が辞世の句で上記のような言葉を残しているのは感慨深いです。
やっぱり仕事でも「楽しいと無理やりにでも思いながら」取り組むと、徐々に本当に仕事が楽しくなってくるのではないでしょうか。
僕のした単純作業が この世界を回り回ってまだ出会ったこともない人の笑い声を作ってゆく
引用:(Mr.Children 「彩り」から)
ミスチルも歌のなかで上記のように言っているので、「気の持ちよう」によって日々の仕事も楽しくしていったほうが良いですよね。
仕事が楽しいと感じる瞬間6選
それでは具体的に「どのような瞬間」に仕事が楽しいと感じるのでしょか。仕事楽しいポイントをお伝えします。
仕事が終わったとき
この仕事が終わったときというのは「あー、やっと6時になった、はよ帰ろ」という意味ではありません。仕事の勤務時間が終わったのではなく、「取り組んでいた仕事が終わった」という意味です。
例えば、保育士の人の場合、朝子供を保育園で預かり、夕方になって子供全員を無事に親の元に返したときは、達成感がありますよね。
また営業の人なら仕事の契約を取るときに、書類にサインがされて、確実に契約が締結されたときは「仕事が楽しい」と感じるのではないでしょうか。
何か仕事をやりきったときの充実感があるから、日々の細々とした作業も続けることができます。
誰かに評価してもらえたとき
次は、誰かに自分の働きを正当に評価されたときです。今まで地道に誰にも分かってもらえないような仕事をいていて、それを評価してもらえると「仕事が楽しい」という気持ちになります。
これは非常に細かいことでもありますよね。例えば、書類を読みやすいように整理していたり、資料をまとめていたり、表に出るような分かりやすい仕事ではないことが評価されると気分は上がります。
「やっぱり見てる人はいるんやな!」という感覚です。
他人から評価されるというのは「誰でもうれしい」ことなので、もし自分が上司の立場だったら、良きタイミングで部下を褒めるのも大切な仕事です。
ゾーン状態から抜けたとき
何かに集中しているときって妙に気持ち良くないですか。スポーツでも勉強でもそうですが、集中すると周りの声なども気にならなくなる瞬間(ゾーン状態)に入るときがあります。
これは仕事中にでもあります。単純な仕事でも、集中しながら仕事をしていたら「その集中している行為そのもの」が気持ち良いのです。
例えば、連休明けに仕事に行くと自分宛てにメールが山のように届いています。
「よし、やるか」と集中してすべてのメールを返し終わると、達成感があります。
仕事中に「集中して取り組む」と効率も上がりますし、「気分も良くなる」のは間違いありません。そしてゾーン状態を抜けてから飲むコーヒーが旨すぎるのです。このときに仕事が楽しいと漠然と感じます。
誰かに頼られたとき
仕事というのは独りだけで取り組むのは限界があります。常に誰かと協力して仕事をする必要があります。そんななか、誰かに頼られながら仕事をすると「仕事が楽しい」と感じます。
これも「責任のある仕事をどうとらえるか」によって、決まります。
後輩から「先輩すみません、取引先でミスをして取引中止にすると言われました」と相談されて、それを自分がパパッと処理して、後輩から「ありがとうございます!以後気を付けます!」と言われたら充実感がありますよね。
上司の場合、後輩から頼まれた時点でも少し充実感はありますが、それを自分の力で解決して、後輩からお礼を言われると、さらに充足感はアップします。
それで後輩に言うのです。「まあ、気にすんなよ」と。
誰かの役に立っているとき
最後は「誰かの役に立っているとき」です。直接的なことでいえば、医者や看護師が患者から「ありがとう」と言われると、つらい仕事も楽しくなりますよね。
病院では「モンスター患者」が多いので、患者の何気ない一言が病院で働いている医者や患者を勇気づけることもあります。
また学校の先生の場合だと、卒業するときに生徒から「今までお世話になりました。先生に教えてもらって良かったです」と1人の生徒からだけでも言われたら「教師をやっていてよかった」と感じますよね。
こういった直接、人と関わりを持つ人は「仕事が楽しい」と感じやすいのではないでしょうか。まあなかには慣れ過ぎで「お礼を言われても、特に何の感情も持たない」という人もいるかもしれませんが・・・。
サラリーマンの場合、自分が部下を褒めて、その部下がやる気を出して働いている姿を見るとテンションが上がります。こういったときに「仕事が楽しい」と思えます。
「誰かの役に立ったとき」というのはポジティブな感情が生まれやすいです。こういった感情を持つことができる人だと、そこから「仕事は楽しい」という方向に移ることができます。
自分の中の目標を達成できたとき
最後は、自分の中だけで目標を決めてそれを達成できたときです。これは本当に小さな目標でも大丈夫です。そしてその小さな目標を達成できたら、自分を褒める。
学生時代に勉強をしていて「今日はこのページまで英単語を暗記しよう」と目標を立てて、その目標が達成できたら嬉しいですよね。そしてその経験から徐々に勉強が楽しくなることもあります。
どんな小さな目標でも、それを達成できたときに自分を褒める、小さな積み重ねですが、これが仕事を長くする上で「楽しい」と感じるようになる秘訣です。
仕事なんて全然楽しくない人もいる3選
なかには「仕事なんて楽しいわけがない」という人もいますよね。むしろ「仕事が楽しいなんて頭おかしい。社畜乙」と。
そんな仕事に対して悲観的な考えを持っている人の特徴・心理です。
仕事が楽しいなんて頭おかしい
仕事が楽しい人もいれば、仕事が全く楽しくない人もいます。そんな人は「仕事が楽しいとは思えない」という前提に立っているため、楽しそうに仕事をしている人に対しても攻撃します。
いやいやおかしいやろと、楽しいと感じていても、それはお金をもらってるからでしょ?と。
しかしこのような考えになるのも分かりますよね。普段、自分がしている仕事がつまらない内容だったら「周りもそうだろう」と考えるのは自然の流れです。
さらに最悪なのが、「自分の職場に楽しそうに仕事をしている人がいる」ということです。自分がつまらなそうに仕事をしているなか、楽しそうに仕事をしている人がいたら「ちょっと待て。楽しそうにするな」となります。
どんな仕事でも、その職場には1人ぐらいは楽しそうに仕事をしている人がいますよね。そんな人が許せないのです。
そして、仕事が楽しいなんて頭おかしいと思っている人は、そういう「楽しそうに仕事をしている人と性格的に合わない」のです。
人間関係の悪さをそのまま「仕事を楽しそうにしているのもおかしい」と持ってくるわけです。
ただどこにいても「批判ばかりする人」はいます。人が楽しそうにしているのが大嫌いな人がいるのです。仕事を楽しくしている人も「そういう人もいるんだな」というような認識は持っておいたほうが良いです。
仕事は苦行
仕事が楽しくない人は「仕事は苦行そのもの」という考えを持っている人もいます。仕事はお金を得るための手段であって、それ自体が目的ではないという考えです。
そのため仕事は「苦行」なのです。本当はやりたくないけど、お金を得るために仕方なく働くことになります。ただ仕事をしなければいけない期間はめちゃくちゃ長いので、かなり苦行の期間は長いですよね。
それでも世の中にはドMの人もいるので、「苦行」と思いながら仕事をするのを実は楽しんでいる人もいるかもしれません。
自分は悲劇のヒーロー
最後は、自分のことを悲劇のヒーローに仕立てている人です。こういった人は意外と多いですよ。
現在つまらない仕事をしているのは
「環境が悪かった」「本当はもっと出来るのに正当な評価を受けていない」とか。
こういった「周りに責任を押し付ける人」も楽しく仕事はできません。常に何かしらの不満を持っていて、「その不満の原因は自分ではない」という考えなので、どうしようもありません。
この悲劇のヒーローは、自分がやりたいと思っている仕事に就いたところで「何らかの文句を言っている可能性は高い」です。
つまり、どんな仕事をしていても、どんな環境になっても文句を言い続ける人です。
まとめ:仕事が楽しいと思いながら働くほうが良い
やっぱり仕事はできるだけ楽しいと思いながら働くほうが良いですよね。人生の長い時間を仕事に費やすことになるので、イヤイヤ仕事をしていたら「人生の3分の1」がつまらなくなります。
そんなのはちょっとイヤじゃないですか。
せっかく働くならなるべく楽しいと感じながら仕事をしていきたいと思う次第です。