どうやら今は管理職になりたくない人が増えているらしいです。それは、厚生労働省が発表している2018年の「労働経済白書」でも数字としてハッキリ表れています。なんと管理職に出世したくない人は60%もいるようです。
「いやいや、どうかしてるってマジで」
ならないよりもなったほうが良いのは決まっています。なぜなら、単純に自分でできることが増えますし、基本的には給料もUPします。アゲアゲですよ。さらに、管理職とは「中間管理職」だけではありません。「中間管理職トネガワ」だけじゃないのです。
当然ながら、それより上の役員などになるためには「管理職は避けては通れない」のです。管理職は単なる通過点に過ぎません。
管理職になりたくない理由は?
労働経済白書によると、管理職になりたくない理由として最も多かった理由としては「責任が重くなる」というのが71.3%です。次に多いのが、「業務量が増えて、長時間労働になるから」が65.8%になっています。
いやいや。
まず、「責任が重くなる」というのは、「考えすぎ」であることが多いです。確かに、一兵卒より責任は「多少は」重くなります。しかし、決定的に重くなるわけではありません。
そして、逆に言うと「いつまでも何の責任もない仕事がしたいですか?」と問いたいですね。いてもいなくても良いような、別に明日から会社に来ようが来なくてもどっちでもいいようなことをずっとしていたいんですか?ということですよ。
また、管理職になれるということは、少なからず「周りの人たちよりも優秀と第三者に認められている」ということです。年功序列だろうが、入社順に管理職になれるとかは関係ありません。
年功序列で出世できているのも「実力のうち」ですよ。入社順などは「自分ではどうしようもないこと」ですが、こういった「運」を持っているということは出世において非常に大切な要素です。要は、階段を一歩上に上っているわけです。
管理職になるというのは、基本的には上に上がっています。逆ではありません。
次の「業務量が増えて、長時間労働がイヤ」というのは、「仕方ない」です。今のところは。もし現在、自分が働いている会社が管理職になると長時間労働になる環境だったら、「自分がもっと出世して是正すれば良い」のです。自分は踏み台になって、後輩たちに働きやすい環境を整えるという考え方です。
上の世代では解決できない問題なので、優秀な下の世代が「リアリスト的な判断に立って」変えていく必要があります。
よく、テレビなどでも後輩がタメ口を先輩に使っている人がいますが、あれも順番が逆ですよね。自分が先輩になってから後輩や年下に「敬語じゃなくてタメ口でいいよ」というのが筋というものです。なんでお前がスタートでタメ口やねん、ということです。そしてそういう奴は漏れなく後輩からタメ口で話されたらキレます。
少し話がそれましたが、労働時間が長くなるのはおそらく業務量的に仕方がないことと推測できます。ただ、もし管理職からさらに出世すると、「会社の労働環境を変えることができる」かもしれません。時代の流れ的にも、この提案をするのは「そこまで不利に働かない」です。離職率が高い業界の場合、なおさらです。
管理職のメリット・デメリット
管理職のメリットは、まず、自分の権限が増えることです。自分の考えだけでできることが増えるのは良いことです。それを「責任が・・・」と後ろ向きに考えると、どんどんマイナスに入っていきますが、出世することの本質はつまり「責任を取ること」と同義です。
いつまでも同じ仕事をしているよりかは、少しでも新しい仕事をしたほうが飽きないというのもあります。それに、管理職になると「給料は上がる方向」であることは間違いありません。
管理職になると、「残業手当がつかない」といったこともあるとは思いますが、下っ端の管理職から上の管理職へと出世すると「また違った感覚」があるのは間違いありません。むしろ、「なんの責任もないことを何で私がしないといけないんだ。誰でもできるだろう、そんなことは」という感覚になります。
誰にでもできることは誰かにやらせておけばいい、といった感じです。このぐらいになると、給料もかなり上がっていると思います。
管理職のデメリットは・・・うーん、基本的にはないのでないでしょうか。いつまでも一兵卒だと、自分よりも年下に
「先輩、たのんますよー」などとニヤニヤしながら言われても平気なメンタルを持っていないとキツいです。ゴメンねー!次はちゃんと報告するよ、と年下に何事もないように言える人は大丈夫です。
どうしても管理職になりたくないなら転職しかない
なかには「絶対に管理職になりたくない!平社員こそが至高!」という人もいるのではないでしょうか。そういう人の場合、管理職になりそうになると、別の会社へ転職するか、上司に「すみませんが、平社員のままでいいです。給料も現状維持で結構です」と言うしかありません。
しかし、それでも居心地が悪いと思います。なぜなら、普通は「管理職になる」ためです。いつまでも平社員のままでいいです、とはなかなか言えません。会社としても、30代や40代、さらには50代ともなって、いつまで経っても20代前半の平社員と同じ働きを期待しているわけではありません。
雇用制度が70歳まで、と言われている現代で「一生平社員」は結構キツイと思います。
ただ、それでも「どうしても管理職になりたくない」というのなら、派遣社員などが向いているのではないでしょうか。管理職になって「ストレスでハゲそう・・・」「部下の管理の絶対的に自信がなくて会社に行くのもつらい・・・」と考えている場合は、管理職に向いていないとことかもしれません。
人には向き不向きがあるので、「早く自分で見切りをつける」ということも大切です。実際、出世競争に向いてないのに無理していると「40代なのに60代のような顔になっている」人もいます。競争が激しい会社で多いですね。要は「かなり神経をすり減らしている」状態です。
髪の毛も40代前半なのに白髪ばっかりで、見ていて気の毒になります。目の下には目不足からくるクマががっつりできていて、生気も失っています。
しかし、それでも、私は「管理職になれるのなら、なったほうが良い」という考えです。それは内閣府(国民生活に関する世論調査)によると、「現在の生活に関する満足度」で役員になると「80%以上が現在の生活に満足している」という結果が出ているためです。役員の80%が現在の生活に満足してるって、「相当高い数字」じゃないですか?
役員になるには、現在の日本のシステムだと、「社内でエスカレーター式に上がっていく」ことになります。そのため役員になるには「管理職は避けて通れない」ものです。そして、管理職から役員になると「現在の生活に満足している人がほとんど」ということになります。
確かに、「管理職になり立て」のときはシンンドイかもしれませんが、それを乗り越えると、かなりの確率で幸せな生活が送れることが統計的に実証されています。
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