何をするにも手際が悪い。言いたいことがうまく言えない。周囲の空気を読んでいるつもりでも、なぜかズレてしまう。そんな「不器用な人」はそこそこいますよね。最初の印象としては、「この人、ちょっと大丈夫かな?不器用が過ぎないか?」と思われがち。
ただ、ここで忘れてはいけないのが、不器用=無能ではないという点です。特に、20代とか若手の「不器用」なタイプは、ちょっとコツを掴めば化ける可能性を秘めています。
そこでこの記事では、不器用な人の特徴と特に若手の不器用な人は侮ってはいけない、ということを考察します!
不器用な人は安定した信頼を築く力を持っている
行動心理の専門家である黒瀬麻里氏は、不器用な人の評価について次のように語っています。
「不器用な人というのは、表面的な対応や見せ方が得意ではありません。でもその分、一つのことをじっくりと考え、深く掘り下げて理解しようとする傾向があります。派手さはないけれど、安定した信頼を築く力を持っています」 (参照:黒瀬麻里 行動心理学者)
つまり、不器用な人には「器用さの裏に隠れがちな慎重さと誠実さ」が備わっているということ。短期的には評価されにくくても、長期的に見れば強い。それが「不器用な人の本質」と言えるでしょう。
不器用な人の特徴
言いたいことをスムーズに言えない
不器用な人は、頭の中に言いたいことがあっても、言葉にする段階でうまく表現できないことが多いです。「要点をまとめて伝える」ということが苦手で、めちゃくちゃ回りくどくなったり、誤解されたりします。ただし、内容そのものが悪いわけではありません。
仕事の段取りが遅い・要領が悪く見える
段取りよく物事を進めるのが得意な人と比べると、不器用な人は明らかに不器用です。「なにフリーズしてんの?電池切れかな」と感じることもあります。また「何が本質的に大事なのか」というのを素早く察知できないので、要領が悪く見えます。
臨機応変な対応が苦手
不器用な人は、急な変更やイレギュラーな対応が得意ではありません。パターンを崩されると混乱しがちで、臨機応援にその場で判断することに時間がかかります。こうした「柔軟性のなさ」は短所として目立つ要因です。
社交性が低く、感情表現が乏しい
愛想が悪いわけではなくても、表情やリアクションが淡泊で、「自分、不器用ですから・・・と高倉健みたいになっている」ので、周りからは「何を考えているか分からない、」と思われます。また、自分から話しかけるのが苦手で、無意識に距離を置いてしまうこともあります。本当は仲良くしたいのに、うまく伝わらない。そんな悩みを抱えている人も少なくありません。
完璧主義に近い思考回路
不器用な人は、意外と完璧主義な傾向があります。「中途半端な状態で始めるのが怖い」「指摘されるくらいなら、何もやらないほうがマシ。私は貝になる」と考えるため、動き出しのタイミングが遅れたりします。「ミスを極端に嫌う慎重さ」という特徴もあります。
若手の不器用さは環境に慣れていない。急に伸びることも
20代前半で「不器用」と見られている人には、全然焦らなくても良いです。その理由は単純で、まだ環境に慣れていないだけだからです。
仕事は慣れと仕組みの世界です。器用に見える人ほど、暗黙の了解や段取りの型を早い段階でこなせるようになります。一方、不器用な若手は、「マジで何がなんだか分かっていない」状態。
この状態のときに「不器用な若手に対して冷たい態度を取る」と、後々、その若手が出世したときに痛い目を見ることになります。
不器用な若手が「なるほど、こうすればいいのか」と本質的なことを理解したとき、いきなりパフォーマンスが跳ね上がることがあるのです。
不器用さには忠実さと粘りがある
器用な人は、最初の印象は確かに良いです。物事の飲み込みも早く対応力も高い。ただ、器用な人は「器用貧乏」という言葉があるように、深く掘り下げない傾向があります。ちょっとした壁に当たると「もういいや、別のことしよ」と器用がゆえに直ぐに別の場所に行きます。
また、不器用な人は、納豆のようなネバネバと粘るのです。「とにかく最後までやり切る」みたいな感じで、途中で投げ出しません。すると、徐々に仕事にも慣れてきて、最終的にはどんどん出世していくことも珍しくありません。最初は仕事を飲み込むスピードが遅くても、「とりあえずやり切る」というのは長期的に見ると職場で「信頼を得る」ということにつながり、評価されやすくなります。
恋愛面でも「不器用な人がモテる」理由
恋愛の世界でも、不器用な人には独特の魅力があります。たとえば、言葉で気の利いたことは言えないけれど、行動で誠実さを見せたり、照れながらも真剣な表情で向き合ったり。そういう一生懸命さに、心を打たれる人は多いです。
また、器用な人にありがちな“軽さ”や“慣れ”がないため、「信頼できそう」「嘘をつかなそう」「真面目そう」と相手に感じさせることができます。
不器用さは時に、“隙”としても作用します。あまりにも完璧だと近寄りがたいですよね。、どこか抜けている感じの人のほうが「自分もラク」なので、自然体でいることが可能。
男女問わず、“せこせこしていない”と余裕があるように見える”のもポイントです。
さらに、不器用な人は成功への焦りや過剰な自己主張が少ないので、周囲も構えずに接することができます。
まとめ:不器用さは、人生における“強さ”になる
不器用というのは、短期的には損をしているように見えます。特に若いうちは、周囲の器用な人と比べて焦りや劣等感を感じやすいものです。
ただ、不器用さの裏には誠実さや「失敗してもあきらめない」という粘り強さがあります。こういった特性は、年齢を重ねるほど評価されるようになっていきます。
社会生活においては、器用さも大事ですが、それよりも「人として信頼できるかどうか」というのが長期的にはさらに重要です。一見遠回りに見えても、確実に積み重ねていけるのが、不器用な人の最大の強み。
周りの人も、不器用な人を見た時「おいおい、ちょっと要領つかむの遅過ぎじゃね?」と思っても、相手が特に若手の場合は、「環境に慣れると直ぐに成長し、自分が追い越される」可能性があります。
そのため、周りの人も「ちょっとぐらい不器用でも丁寧に接する」ほうが、後々、不器用な若手に追い越されたときに「自己防衛」にも繋がります。
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