ネットに晒す心理
最近、よくSNSなどに「何かを晒す」人たちが増えてきています。例えば、飲食店で大騒ぎしているグループの写真をこっそり撮り
「この人たちが騒いでいてうるさいです」とSNSに書き込む。または、お店の店員の態度が悪いからといって、相手に土下座をさせてそれをSNSにアップする。
こういったことは、「被害者」と言われる人たちがネットで晒し行為をしていることが多いです。本来ならば当人同士の話し合いなどで済む問題ですが、それをしません。周りの人、第三者に向かって言うのです。
「こんなことがありました、皆さん判断して下さい」と。まさに誰かに承認してもらいたい「承認欲求」が強い現象です。
「目には目を」という言葉もありますが、最近では「目をやられました私!」とSNSに書き込むようになっているようです。これも実際には「目を”やられそうに”なりました」といった場合や「”先に相手の口をやったら”目をやられました」という「いやいや、あんたも悪いんちゃうの?」ということもしばしばあります。
しかも、「自分に都合の良いように編集もしている可能性」もあります。
とにかく、何か問題があれば「みんなに晒しちゃうよー」という考えを持っている人が、最近のSNSなどを見ると増えてきているのではないでしょうか。弁護士どっとこむという専門サイトを見ても、「ネットで晒されそうになっている人」の相談の書き込みは多いです。※参考:弁護士が回答「晒され」の法律相談
ネットに晒すことで相手に羞恥心や社会的制裁を与えたい
ネットに晒す人の心理としては、「相手に恥をかかせて社会的制裁を与えたい」というのが強いのではないでしょうか。さすがに「自分の利益は全く関係なく、社会正義のため」という人はほとんどいません。それはそれで怖いものがありますし。
または、「『あなたは正しい』と言ってもらいたい」と思っています。そして、ここからが大事なのですが、その晒しによって相手が「苦しんでいる」状況を見て、( ̄m ̄〃)ぷぷっ!とただ単純に楽しみたいというのがあります。
つまり、ネットでの晒し行為によって「相手の苦しんでいる姿を楽しむ」というのが、晒し行為の本質なのです。
ネットで晒された時の対処法「気にしない」「晒した人より幸せな状態」
晒されたときの対処法として、一番良いのが「気にしない」ということだと思います。そして、ネットで晒した人より「幸せである」ということが一番の対処法だと感じます。普通通りの、通常通りの生活を送れば良いと思います。これが相手からすると「キーッ」となるのです。全く相手にしないのが良いです。Pharrell WilliamsのHappyという歌の歌詞にもありますが、そういうことではないでしょうか。
ただ、「明らかに法律に違反している」場合などは速やかに警察に相談をした方が良いですが。
また、自分で出来る対処法としては「ネットの場合」はサイトの運営者に地道に連絡をして「削除依頼」をするのが一番です。またはグーグルに報告するのも自分で出来ることだと思います。一応、参考としてグーグルから削除する方法が記載されているページのURLを貼り付けます。
※参考:「Google から情報を削除する」「Google が削除できるもの」「法的な削除リクエスト」
些細な問題で被害者と言われる人たちがネットで晒しても誰も得をしない
今でもたまにSNSなどにアップされていますが、「電車の中でのもめごと」。意外と多いです。特に、東京に住んでいる人なら分かると思うのですが、あんなに人が密集していたらそれは問題が起きます。
例えば、「老人に席を譲れを言われた!」と若い人が高齢者に文句を言われている動画をアップしたとします。これってアップしたところで、「誰が得するの?」ということになります。SNSにアップして相手を晒した人が尊敬されるはずもありません。この程度のことだったら
「メンドクサイからさっさと席を譲ればいい」と思いますし、高齢者のほうも「少しぐらい我慢したほうがいい。もしくは優先席の前に行ったほうがいい」と思います。こういった些細な問題に対して真剣に
「これは公共の場における、一種の現代の重要な問題点を示唆、あるいは提示している可能性があり、高齢者側の対応に問題があるのかないのか、若しくは若者のネット依存による副作用がこういった行為に向かわせるのか、我々は両者の意見を、あるいは片方の意見を丁寧に総合的に勘案した上で、解決方法を解決するための検討を始める準備をしなければならない。これはまさに、日本の現代社会全体が抱える問題」
などと言う問題ではありません。あまりにも被害者意識が強く、脊髄反射的に「ネットに晒す!」と思っても、そこは最低でも一日ぐらいは待つべきです。一日置くと「まあいっか」という気持ちになるはずです。
ネットに晒したところで、ネットに晒した人が「100%正しい」ことでない限り、「重箱の隅をつつくのが生きがい」の人に批判されてしまいますし、ネットに晒された人も良い気持ちにはなりません。誰も得をしないので、些細な問題でのネットに晒す行為というのはやめておいたほうが良さそうです。