周りの目が気になると、普段の生活からどこかビクビクすることになります。
「この周りの目を気にする性格を治せたらどんなにラクになるだろう」
何か発言をしたり、行動するたびに「他人の視線が気になってしまう」。街を歩いているだけでも、「異常に疲れる」人もいますよね。
「ビクビクせずに本当の自分のまま生活できたらどんなに良いか」。周りの目が気になる理由と、周りの目を気にしない方法を考察します。
周りの目を「気にし過ぎる」のは良くない
周りの目を気にするのは、「誰だって」ありますよね。ちょっとおしゃれをしたり、何か発言をするときに周りの反応を確かめる行為は、「誰もが」します。
しかしここで問題なのは「異常に」人の目を気にし過ぎることです。
何でもそうですが、「適正な基準」があります。
しょう油だって少しかける分には美味しいですが、ドバドバとかければ身体に悪いです。
適度に周りの目を気にするのは、「良い緊張感」が出て、やる気やモチベーションのアップにつながります。
「現時点では五輪に出場するつもりでいる。収容人数を20パーセントか30パーセントに抑え、日本の観客のみ入場が認められると聞いている」とコメント。
さらに「もし無観客で行われることになったら、行くかどうかについて検討する」
引用:テニス=ジョコ「無観客なら五輪欠場も」、フェデラーは状況注視(REUTERS)
上記はテニスの世界王者ジョコビッチのコメントですが、「無観客なら五輪に出場しない」と言っています。これは「観客がいないとモチベーションが出ない」ということですよね。
周りの視線が気になる人がいる一方で、ジョコビッチのように「周りの目がないと、張り合いがない」と感じる人もいます。
人の目を気にしている人からすれば、「ちょっと意味が分からないですね」という感じですが、実際にジョコビッチのような人はいます。
また歌手で俳優の福山雅治も、ラジオで「観客の前に出たほうが落ち着く」と話していたのを覚えています。
ただ、周りの目がないとやる気が出ない人も、それはそれで大変そうですね。「やる気が出ない」というのも、本人たちにすれば「重大な悩みの種」の可能性が高いです。
周りの目を気にし過ぎるのとは違った悩みがあります。
ただし、一般的にはやはり「周りの目が気になる人のほうが多い」です。どうしても周りの目が気になって「本当の自分」を出せていない。
「本当の自分のまま生活できたら、どれだけ楽しいだろう」
家で独りでいるときや、家族・仲の良い友人とは全然普通なのに、街に出たり、学校や職場にいると急に人の目が気になってストレスを感じてしまう。このように過度に周りの目が気になると、ストレスがどんどんたまっていきます。
どうして「自分だけ」周りの目が気になるのだろう
周りの目が気になる人は、「どうして自分は周りの目が気になるのだろう」と考えますよね。周りの人を見てみると、「あまり気にせずにノホホンと生活している」ように見える。何かおかしいと。
「私だけおかしいのだろうか」と。
しかしそんなことはありません。海外の人を思い浮かべると、日本人よりも「周りの目を気にしない人が多い」ように感じますよね。これは「セロトニンの量が関係している」と言われています。
セロトニンとは、ストレスを抑える働きがある物質で、精神を安定させたり、幸福感を促進させる働きがあります。
そして、日本人は「遺伝的に」セロトニンが少ないと言われています。
脳内神経伝達物質のセロトニンは、人の感情に影響を与える。セロトニンの量を調節するたんぱく質の遺伝子にはS型とL型の2種類があり、組み合わせでSS型、SL型、LL型に分類される。
S型が多いほど内向的で不安を感じやすく、L型が多いと社交的で活動的になる。世界の中でも、日本人はS型を持つ割合が高く、不安に弱く、あがりやすいという。
引用:日本人はあがりやすい?…不安に弱い遺伝的要素も(ヨミドクター)
上記のように、日本人は「遺伝的に不安を感じやすい」という性質を持っているのです。自分だけが特別不安を感じやすい、というわけではありません。
日本人のSS型の割合はどのくらいか。高いんですね。65パーセント以上の人がそうです。これに対してLL型は、すごく少ないですね。3パーセントぐらいです。100人のうち3人。この教室の中でも5~6人いるかどうかという感じでしょうか。
一方でアメリカ人はどうか。LL型は32パーセントもいます。日本の10倍ぐらいいるわけです。3人に1人が楽観的な人たち。
引用:日本人の幸福度が低いのはなぜ?(ligmiBuz)
上記は脳科学者で有名な中野信子の記事の引用ですが、日本人には「不安を感じやすい人が65%」いると書かれています。日本人の3分の2ですよね。
一方アメリカ人の場合は、楽観的な人が日本人の10倍はいると書かれています。
つまり「周りの視線が気になる」というのは、「日本人だったら多くの人が持っている」感覚なのです。不安を感じやすい人が65%もいるので、言い換えると、「日本人だったらむしろ、不安を感じやすいのが普通」とも言えます。
要は「遺伝的に仕方がない」と考えることができます。身長が高い低いといったことと同じ現象です。
周りの目を気にしない方法
細かく分析する
まずは、「どういう状況で」周りの目が気になるのか分析します。周りの目が気になる「場所」や「視線が気になる相手の性別・年齢」など細かく分けます。
例えば、人によっては「同性のおっさんばかりの場所だと周りの目が気にならない」という人や「なぜか職場・学校に行くと周りの目が気になる」という人もいますよね。
特に周りの視線が気になる「場所」や「相手の属性」があれば、十分対策は可能です。
何となく「漠然と周りの目が気になる」ではダメなのです。最低でも「場所」や「相手の属性」ぐらいは分類できます
周りの目を気にしない方法を実践するときも、まずはこの「前提条件」を押さえるようにしましょう。
他人の視線に慣れる
一番良いのは、「慣れ」です。これは昔から言われ続けていますが、まさにその通りです。
「どんなことでも慣れるのが人間」です。
美人でも三日で飽きるというぐらい、「慣れ」の力は強いです。
振り返ると、今までの人生で「乗り越えてきたこと」は多いですよね。「自転車」だって最初から「余裕だよ、お父さん!」とスイスイ乗りこなしていたわけではありません。
現在使っている「言葉」も、小さいころからの「慣れ」によって習得しています。
なので「周りの目に慣れる」機会は必ず訪れます。周りの目が気になるのは、「そういう経験が少ないから」というのが一番大きいです。
徐々に場数を踏んでいき、成功体験を積み重ねるのが一番の王道であり、一番の近道ではないでしょうか。
そして周りの目に慣れたころには、現在では自転車を軽やかに乗りこなしているように「そういえば、周りの目が気になっていた時期もあったな」と苦いコーヒーを飲みながら昔懐かしく感じます。
相手を小学生だと思う
周りの目が気になる人は、「自分のことを下げて相手の『目』を高く評価しすぎて」います。
どうも「周りの人は凄い人たちだ」と無意識に考えているので、周りの視線が気になってしまいます。
例えば、家で独りでいる時に「ん?なんかテレビがこっちを見ている気がする・・・なんかドキドキするな」という人はいませんよね。
テレビやエアコンがあっても、「何も感じない」のに、人間の「視線」が気になるということは、「視線に自分の思いを勝手に乗せている」からです。自分を馬鹿にしてそうな目をしてるな、とか。
目なんてただの水晶体です。目玉の親父じゃない限り、目玉は言葉を発しません。
占い師が使うあの透明の玉と同じです。占い師のあの「見えます、あなたの未来が!」という時に手をかざしているあの水晶体を見て、不安に感じる人はいないですよね。
それに、周りの目が気になる人は「周りを超過大評価」しています。
確かに容姿や年収・学歴などで、「多少の」違いはありますが、そんなことは大したことではありません。
むしろ、「相手は小学生だと思う」ことによって、今まで上げ過ぎていた他人の評価を正常なところまで戻すようにしてください。
テレビに出ている人たちのことをよく観察してみてください。一般の人を「『素人』などと呼んだりナチュラルに見下している」人が多いですよ。この感覚を持っていたほうが普段の生活はしやすいです。周りを尊重過ぎるのは、自分の評価を変に下げてしまうので注意が必要です。
自分と他人は別だと強く意識する
周りの目を気にする人のなかには、「自分と他人を同化している人」もいます。
つまり「私だったらこう思うから、相手も私と同じように考えているだろう」ということです。
自分のネガティブな考えを、「周りの人たちも持っている」と感じています。周りの視線が気になるのは、「自分が考えているようなネガティブな視線」を自分自身に向けられている気がするからです。
ここで重要なのは、「自分と他人では、全く考え方が違う」ということです。
人によっては夏がだめだったり、セロリが好きだったりします。本当に「全く」違います。
周りの目が気になる人は、「周りの空気に敏感で流されやすい」ので、「いつの間にか、自分の考えがそのまま『相手もこう考えているだろう』」と変換されます。
そのためまずは「自分の意識」を最優先するようにしてください。他人の考えなんて、こちらでコントロールできないので、放っておきましょう。セロリが好きな人に、「セロリなんて臭いから嫌いになったほうがいいよ」と言っても変わるわけがありません。
オシャレをする
周りの目を気にしない方法として、「外見に自信を持つ」のも効果的です。袖がベロンベロンのTシャツと破れている短パンを着て外に出たら、誰だって周りの視線が気になります。
「これは笑われてるな」と。
変な恰好をして外に出た時に「他人の笑われてる視線が気になる」なら、「逆の考え方もあり」ですよね。
つまり「自分の中でオシャレをしている出かける」のです。
そして周りから「見られている」と感じても、自分の中で「オシャレに見られた」と解釈することが可能になります。
「すれ違った人がチラッと私の靴を見てたけど、限定品というのに気づいてたのかも。アイツはなかなか見る目があるな」という感じです。
オシャレは女性だけでなく、やっぱり男性でも気分が上がります。髪型を決めて、何となく「自分がオシャレだと思う服装やスーツ」で外に出ると、周りからの視線も「ポジティブに変換」できます。
服を買ったり髪型を変えるだけなので、一番直ぐに誰にでもできる対処法ですよね。
謎の自信を持つ
周りからの視線は、これからも一生続きます。道行く人や職場・学校で「どうか私を見ないでください」とは言えないですよね。
それだったら、「見られた時に『謎の』自信を持つようにする」のも重要です。いつまでもビクビクしてられません。
難しくて時間がかかることですが、要は「内面を変えましょう」ということです。他人からの視線を感じたときに、「何か見てるな」ぐらいの感覚。もしくは、「他人からの視線が全く気にならない」という自信を持てるまで、「何かを頑張る」。
ここでいう何かを頑張るとは、勉強や仕事であったり、プライベートでの充実度も含まれています。またこれらのことがすべて上手くいっていなくても、「謎の自信」を持つのも良いです。
普段通り、何気ない生活を続けていくだけでも、「それなりの自信」はついてきます。なんだかんだで、私もやってきていると。地道に行動をしていくと、自分に対して「納得感」を持つことができます。それが「謎の自信」につながります。
セロトニンを増やす
上記にも書きましたが、セロトニンは幸福感や精神を安定させるためにも不可欠な物質です。そのため「周りの目が気になるのはセロトニンが不足している可能性が高い」です。
日本人は元々セロトニンが少なく、「不安を感じやすい性質を持っている」ので、「セロトニンを増やしましょう」という方法。
これは「かなり根本的な対処法」ですよね。
風邪を引いた時に薬を飲んで熱を下げるように、「不安感を取り除く」のも科学的なアプローチが取れる時代になっています。
朝食を摂ることで朝の時間帯にセロトニンの分泌を増やすようにします。セロトニンの分泌には日光を浴びることが欠かせません。運動に関しては一定のリズムで行う運動がセロトニンの分泌を高めてくれます。リラックスして朝、太陽の光に当たりながら毎日15分程度のウオーキングを楽しむといった方法が良いでしょう。
引用:心の安定 セロトニンを増やす方法(総合南東北病院)
セロトニンを増やす方法は、上記の病院の記事を引用したように、「朝食・日光浴・運動」が大事なのが分かります。
どれも基本的なことですが、生活リズムが崩れているとセロトニンの分泌も悪くなっている可能性があります。
元々セロトニンの量が少ないのに、さらにセロトニンを増やす努力もしていなかったら「不安感が強いのは当たり前」ですよね。
また外に出てウォーキングをするだけでも、「周りの目」に対して免疫もつくので一石二鳥です。
根本的に「人間の仕組みとして対処したい人」は、セロトニンを増やす方法を試してみましょう。
まとめ
周りの目を気にする人は、「日本人では意外と多い」です。日本人は元々セロトニンが少なく、「不安を感じやすい身体のつくり」になっています。
そのため、現在「私は不安を感じやすいかも・・・」と思っていても、日本人の65%ぐらいは「ほぼ同じような感覚」を持っています。
あとは程度の問題ですよね。
周りの目を気にしない方法は、上記でお伝えしたようにさまざまなアプローチから対処ができます。ぜひ自分に合いそうな対処法を見つけて、じっくりと悩みの種を取り除いていきましょう。
【どうしても自分は気にし過ぎる性格だという人は▼】
【自分と向き合うのがつらい時は▼】