八方美人と言われる人は、「どちらかといえば悪い意味」で使われています。周りから「誰にでも良い顔をする」行動がよく思われていないのです。
言われたほうとしては「誰とでも上手くやりたいと思っているだけ」で悪気がない場合がほとんどです。そのため誰かに「あなたって八方美人だよね」と言われると「ドキッ」とします。
ここでは八方美人と言われる人の特徴やメリットとデメリットなどについて考察します。
八方美人とは
八方美人とは、自分の周りにいる人たち全員に良い顔をする人のことを言います。ただ全員に良い顔をするため、どこかの段階で無理が出てきます。八方美人という言葉はどちらかと言えば「ネガティブな言葉」として使われます。
八方美人と言われる人は次のような人です。
- 絶対に、死んでも誰にも嫌われたくない
- 自分の意見を言わない
それでは一つずつ見ていきましょう。
誰にも嫌われたくない
八方美人の多くの人に当てはまるのが「絶対に、死んでも誰にも嫌われたくない」という考えです。嫌われるぐらいなら死んだほうがマシなんだと。異常に他人との摩擦を恐れている傾向があります。
もちろん、誰しも嫌われるのはなるべく避けたいですが「嫌われてもある程度は仕方ない」と割りきっています。この割り切りが出来ないと
「私は出会う人すべてに好かれたい!絶対に!」と考えてしまいます。
自分の意見を言わない
八方美人の人は「自分の意見を言わない」です。なぜなら、Aという答えを選択してしまうとBの答えを支持している人から嫌われるからです。
身近な例で言うと、職場のランチで食べる店を決める場合。
「きょうはパスタかお好み焼きどっちにする?」と聞かれても、
「うーん、どっちでもいいよ」と必ず言います。こういう小さな積み重ねで、八方美人が出来上がっていきます。
パスタを食べたい!という気持ちよりも「摩擦を起こしたくない」という気持ちのほうが強く出てしまうのです。
八方美人のメリット2つ
八方美人にもメリットはあります。メリットがなければ誰も八方美人になりません。何かしらのメリットがあるから、八方美人をしているわけです。
八方美人の主なメリットは次の2つです。
- 協調性の塊なので邪魔にはならない
- 初対面の人には印象が良い
メリット①協調性の塊なので邪魔にはならない
八方美人ということは「いてもいなくてもあまり関係がない」ため、何となくどこのグループにも入れます。普通は
「〇〇さんだけは絶対にイヤ」と言う人が一人ぐらいいますが、八方美人な人はこれがありません。
これは実はなかなかできないことでもあります。どこのグループでもそれなりにやっていけるというのは、特殊な才能なので保守的な会社では出世する可能性もあります。
カメレオンのようにどこにいても、それなりにやっていけるのは、表面上だけの人間関係を大切にする仕事の場面では役に立つ機会も多いです。
メリット②初対面の人には印象が良い
八方美人なので、初対面の人には非常に印象が良いです。初めて会った相手は「自分にだけ良い顔をしてる!」と勘違いするので、初対面の人に関して言えば八方美人は有利です。
仕事の面でも接客業や営業などが向いているのではないでしょうか。初対面の印象が良いというのも社会で生活する上では大切な能力ですよね。
八方美人のデメリット3つ
八方美人にはデメリットもあります。全員に常に良い顔をしていると、「どこかで無理が出てくる」のは間違いありません。八方美人のデメリットは次の3点です。
- 仲の良い友人ができない
- 信頼されない
- 周りの全員が敵になってしまうことも
デメリット①:仲の良い友人ができない
八方美人の人は、ズットモができづらいです。誰に対しても良い顔をしていると「この人は自分のことを重要と思っていない」と感じます。
つまり「深い信頼関係を築けない」のです。例えば4,5人ぐらいの飲み会でAさんの悪口を言っているときに、八方美人な人は「あぁそうだねぇ」と曖昧なことを言ってしまいます。
悪口を止めるでもなく、強く肯定もしません。ここでその悪口が「自分の思っていることとは違う場合」は
「それは違うんじゃない?」と言ったほうが良いのです。その場の空気は悪くなりますが、ヘラヘラしていると何を考えているのかが分かりづらくなります。
Aさんの悪口に対して「否定」をすると、その飲み会に参加しているうちの1人(Bさん)ぐらいは「確かにそうだよね」となるものです。そしてBさんがAさんに「この前の飲み会で八方美人さんがAさんをかばってましたよ」となって、AさんとBさんとの信頼関係が深まっていきます。
八方美人さんは信頼ができるな、とAさんとBさんは判断して仲が良くなります。
デメリット②:信頼されない
職場で八方美人だと、徐々に信頼されなくなってきます。仕事で長い時間一緒に過ごしていると、その人の性格や考え方が何となく分かってきます。
そんなときに八方美人の人は男女問わず、あまり信頼されなくなっていくのです。
職場での飲み会では「同僚や上司の悪口を肴に酒を飲む」のが基本です。そんなサラリーマンは居酒屋に五万といますよね。傍から見たり聞いたりすると「もっと建設的な話題をしたらいい」と思いますが、自分の場合は別。
あいつさーホント使えなくてさー、ガハハハと悪口を言っているとめちゃくちゃ楽しいのです。
もうたまんないよ!と言いながら、部下や同僚に「まぁまぁこれでも飲んで」とお酒を飲むのがサラリーマンですよね。ただこの席には自分と仲の良い同僚や部下しかいません。八方美人な人は呼びづらいのです。
八方美人な人を呼んだところで、「あいつは誰にでもいい顔するから、もしかすると悪口も相手に言うかもしれない」と感じます。
職場など長期にわたって同じ場所に多くの人が集まると「派閥」が自然とできます。これは仕方ありません。学生のときにもありますよね。学生のころよりも「もっと強固なもの」が社会人の職場のソレです。
そんななか、こっちにも良い顔をして、あっちにも良い顔をしていると「何だあいつ誰にでもいい顔して」と信頼されなくなります。良い悪いではなく「そういうもの」です。
デメリット③:周りの全員が敵になってしまうことも
八方美人が上手くいっているときは問題ありません。上手くいくと、仕事ではスルスルと出世していく可能性もあります。ただ気を付けたいのが、少し歯車が狂うと「周りの全員が敵になってしまうことも」あります。
というより、元々「薄っすらとした味方しかいない」ので簡単に敵にもなりやすいのです。信頼関係があると、仲間が仕事で多少ミスをしたとしても「前の借りもあるし、俺がなんとかするか・・・」となりますが、八方美人にはそういった借りや仲間感が生まれにくいです。
政治でも何でもそうですが、「是々非々で!」と言っていると宙ぶらりんの状態になり、良く分からないポジションになります。是々非々は確かに良いことなのですが、「無理なときは無理」という場面もあります。
是々非々ですると、何か一つ物事を決めるたびにどちらかの勢力からは「あいつはダメだ」ということになり、結果全員から見放されます。
特に仕事では長期間一緒にいるので、最初は成功していた八方美人が徐々に通用しなくなるのです。
必ず「どちらかを選択しなければいけないとき」がきます。そのときに八方美人な態度を取っていると、仕事ではかなり厳しい立場に追いやられます。
【改善策】八方美人と言われたら・・・
八方美人と他人から言われて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。自分としてはただ争いを避けるためにしてきただけなのに「ネガティブな意味合いで指摘される」のはイヤなものです。
誰かに指摘されたときに「うっせータコ」と言える「なんちゃって八方美人」なら問題ありません。ただ八方美人の人は基本的には目の前の人に嫌われたくないと真面目に考えているので、「あなたは八方美人ですね。」と言われるとちょっと傷ついてしまいますよね。
そんなときの改善策としては「自分の意見を言う」ということに尽きます。
うーんどっちでもいいかな・・・と思うようなことでも自分の考えていることを言って
「自分はこういう考えなんだ」というのを周りに知らせなくてはいけません。つまり、どこにいても薬にも毒にもならないような態度を取るのではなく、ハッキリと「私はパスタが食べたいんだ!」と自分の考えを言うほうが気持ちもラクになります。
パスタを主張したことで味方が八方から四方に減ったところで、気を使う相手が少なりなりそれはそれでスッキリするのではないでしょうか。
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