何事にも「情熱をもって」取り組む人っていますよね。
「あの人がいると周りの温度が2度上がってる感じるがする」など、周りへの影響力も強いです。
ただここで言う「情熱的な人」というのは、単にテンションが高くてうるさいだけの人とは違います。
「何かに全力で没頭している」といいますか、自分の中での基準がハッキリいている人のことです。そこで今回の記事では情熱的な人の特徴と、その熱はどこから来ているのかについて考察します!
情熱は“感情”ではなく“姿勢”である
行動心理士でありビジネスコーチとしても活躍する古川真理子氏は、情熱的な人の定義について次のように語っています。
「情熱的な人というのは、常に感情を爆発させている人ではありません。むしろ、行動や判断の“軸”に情熱がある人です。感情の波とは別に、“ここに賭けたい”という意思が明確な人。だからこそ、淡々とした性格でも情熱的でいられるのです」 (参照:古川真理子 行動心理士・ビジネスコーチ)
つまり、情熱とは“派手でテンションが高い”という外見的な要素ではなく、“しっかりと軸を持っている”という内側から生まれるエネルギーと言えます。本人が意識しなくても、内に燃える意志は周囲に伝わっていきます。
情熱的な人の特徴
自分の「好き」を明確に把握している
情熱的な人ほど、何にワクワクするかをよく知っています。たとえそれがマニアックな分野や他人に理解されない趣味でも、自分が熱中できるものを持っているのです。そして、それに時間もお金もエネルギーも惜しまず注ぎ込みます。
自分の好きなことを明確に「分かっていること」が情熱の根源になります。アンパンマンの歌でも「なにをして喜ぶ」とありますが、この部分を「分かっている」のが情熱的な人の大きな特徴と言えます。
周囲の“温度差”に惑わされない
「そこまで本気になってどうするの?」「それって意味ある?」「馬鹿なの?」などと周りからいくら言われても気にしません。情熱的な人は、他人の視線を打ち消すだけの情熱を持っています。
友人関係や職場で浮いてしまっても、「自分はこれがやりたいからやっている」と貫ける強さがあります。
努力を“楽しめる”マインドがある
情熱的な人は、努力を努力と思っていません。これが「後に大きな成果につながる」こともあるのですが、やっていること自体が楽しいという状態。短期的な成果が出るかどうかではなく、「今、この瞬間に向き合っていることが面白い」と感じているのです。
「その行為自体が楽しい」ので継続でき、最後までやり抜くことができます。多少の障害があっても、暴走列車のように止まりません。燃えているエンジンは簡単には止まらないですよね。熱量のある人が成功しやすい理由は、モチベーションの源泉が“外”ではなく“内”にあり、「勝手に燃え続けている」からです。
「自分ごと」で物事を考える
情熱的な人は、あらゆる出来事を「自分だったらどうするか」と考えます。主体性のある姿勢が、情熱につながっているのです。
受け身ではなく、あくまで能動的です。誰かにやらされて動くのではなく、「自分がやりたいからやる」。このマインドが強く根付いているため、周囲からも「行動力がエグイ人」として認識されます。
恋愛面でも“温度差”を恐れない
恋愛においても、情熱的な人ははっきりしています。「好きな人にはしっかり気持ちを伝えたい」「曖昧なままではいられない、夢見る少女じゃいられない」と考えるタイプ。気持ちを隠すことがストレスになるため、正直に行動します。
相手から思い切り振られることもありますが、それでも「自分の気持ちを伝えないまま終わること」のほうが嫌なのです。情熱的な人の恋は、迷いよりも実行が先に立つのが特徴です。ただ積極的に行動しているので「成功する確率も高い」のです。
間接視野で好きな人を視界に入れているだけで満足し、結局何もしない人とは全く違うと言えます。
情熱的な人の“熱”はどこから来るのか?
情熱的な人は、いつも燃えているように見えます。ただ、火がついている理由は“無理やりの気合”や“テンションの高さ”ではありません。そこには明確な価値観と優先順位があります。
自分にとって「何が大切で、何を守りたいか」がはっきりしているのです。だから、何かを始めるときもスタートダッシュが切れますし、面倒なことがあってもそのまま突き進みます。
そしてもう一つ。「誰かのために」という感情も、情熱を支える燃料になります。大切な人を守りたい。誰かの役に立ちたい。そういう強い思いがある人は、自然と火がつきます。その火は、自分のためだけに頑張っている人よりずっとタフで、ずっと粘り強いのです。
情熱は周囲を巻き込む力を持っている
情熱的な人は、周囲の人に影響を与えます。「この人、マジで本気なんだな」と伝わると自然と応援されるようになります。空気を変える力を持っているのも情熱的な人の特徴です。
職場で言えば、最初はリーダーとしての立場ではなくてもプロジェクトの軸になっていたり、周囲のモチベーションを引き上げていたりすることも多いです。恋愛でも、相手の心を動かす力があります。
ただしその一方で、「温度差」による摩擦も起きやすいので、そこは注意が必要。特に、本人が情熱的すぎて視野が狭くなってしまうと、「熱苦しい」「私たちはオフの時間に疲れない程度に仕事がしたいだけだから向こうに行ってほしい」と見られてしまうリスクもあります。
自分も情熱的になれるのか?
情熱的になることは可能です。ただ「何に情熱を注ぐか」を明確にすること。「内側からふつふつと湧き上がってくるもの」に耳をすまします。
興味や関心がバラバラで、「何となく好きなことは多いけど、どれも中途半端なんだよな。家では寝てたいし」という状態だと、エネルギーが分散してしまい、燃えるような感覚にはなりません。逆に、「これをやってると時間を忘れる」「これだけは語り出すと早口が止まらない」というものが見つかると、自然と行動が変わってきます。
そのためにはまず、今までの自分の行動を振り返ることが重要です。
どんな話題になると自然と熱が入るか。
誰かのために動いて感謝されて嬉しかったことは何か。
苦労しても「もう一回やってもいいな」と思えた経験は何か。
そういった「情熱のタネ」を見つけていくなかで、徐々に“自分のエネルギーが向ける方向”が見えてきます。
情熱は“意志”と“体験”の積み重ねで育つ
情熱の研究を行っている臨床心理士の高田正典氏は、次のように述べています。
「情熱的な人は、生まれつき熱いのではありません。自分の意志で『これをやろう』と決めた体験が何度も積み重なることで、熱量の高い人格ができていきます。だからこそ、最初は小さな“やってみる”から始めることが重要なのです」 (参照:高田正典 臨床心理士)
“情熱”とは生まれながらに燃え上がるものではありません。生まれた瞬間に「ワイはこの人生やったるでー!!」と叫ぶことではないのです。その後の「体験の積み重ね」で生まれるものです。
そして、いきなり大きな目標に向かわなくても構いません。とりあえず取り組んでみよう」といったことを繰り返した先に、自分だけの“熱の正体”が見えてきます。
まとめ
情熱的な人というのは、他人に流されず、自分の意志で生きている人です。やるべきことを惰性でやるのではなく、「本気で集中して没頭する」ということです。集中して没頭することは「感覚的に気持ちいい」ことでもあるので、そこに熱が生まれます。
また結果的に、周囲にも影響を与え、良い方向にいけば信頼される存在になっていきます。
情熱を持てる人は、特別な才能があるわけではありません。ただ、自分の中に「これだ」と思える何かを見つけ、それに対して真摯に向き合っているだけです。またその真摯な姿勢が、自然と人を惹きつけるのです。
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