世の中には「ブラックホール並みのブラック企業」が存在します。漆黒で一度入ると出られません。
現在は「働き方改革」などとテレビでも頻繁に取り上げられていますが、「え?何それ?食べれんの?(苦笑)」とブラック企業は全く気にしてません。
当然ながら驚くほど給料も低く「時給換算すると高校生のバイトに負けてる」なんてことも。なぜ従業員を「駒」のように使い捨てるブラック企業がいまだに「そこそこ多く」存在しているのでしょうか。考察します。
ブラック企業は真面目な従業員が養分
メディアでも「働き方改革」と伝えられていますが、そんななかでも「ブラック企業は多い」です。
それに何といっても「働き方改革を訴えているメディアや官僚がブラック」なので、この問題の根深さが分かります。
「誰が誰に言うてんねん」と。
ただメディアや官僚で出世しようと思ったら「9時に出社してきて17時に『おつかれしたー』と帰宅」することはほぼ不可能です。
なぜなら「優秀な同僚たちが12時間なんて基本だよね、みたいな顔して働いている」からです。なかには「お前は仕事以外何してんねん」という人もいます。そんな人は休日だろうと「おいーす」と言いながら普通に出勤(無償で)して来たり、「勤務外でもばんばんメールをしてきたり」働きまくります。
出世しようと思えば「その人たちと同じだけ働くのは当然のこと」となります。
「何のために今まで勉強してきたんだ」ってことですね。「キャリアの損切ができない状態」ともいえます。
ただしメディアや官僚の人たちは「給料が良い」ので、世間的にはそこまで大きな問題となっていません。
「まぁ、我々の血税から1500万貰ってるんやったらそれぐらい働かんと」
世間は他人に厳しいものです。
この記事で取り上げるブラック企業は「給料が低いブラック企業」というのが前提です。
こういったブラック企業こそ「本来の意味でのブラック企業」と言えます。
「働けど働けど、わが暮らし楽にならざり、じっと手を見る」という石川啄木の状態です。
そして従業員はお金も貯まらず疲弊していますが、ブラック企業は「利益をめちゃくちゃ搾り取ってる」ので「しぶとく生き残り」ます。
次々と倒れていく従業員を栄養としてブラック企業だけは宇宙のように膨張していきます。
ブラック企業とは
それではまず、ブラック企業の意味を「コトバンク」から見てみましょう。
労働者を酷使・選別し、使い捨てにする企業。
引用:コトバンク
辞書でもかなり厳しいですよね。「酷使」されて「使い捨て」にされると書かれています。それでも次から次へと新しい人たちが「よろしくお願いしますー」と言いながら、ブラック企業へと入ってきます。
はたから冷静に見ると「やだなー、怖いなー怖いなー」と気づくのですが、「気づかない人」も結構います。
できればブラック企業に入る前に回避するのが良いですが、「あれ?私の会社って漆黒じゃね?」と気づくためにも「ブラック企業の特徴」を知ることは非常に重要です。
人生は短いので、そのなかで企業や誰かの養分になってはいけません。
ブラック企業の特徴
ブラック企業の特徴は次の4つです。
- 求人だけは上手い(ほぼ詐欺)
- 13時間労働が当たり前
- 仲間との絆づくり
- 退職のハードルが異常に高い
それでは具体的に一つずつ見ていきましょう。
求人だけは上手い(ほぼ詐欺)
ブラック企業の特徴として「最も重要な点」です。
ブラック企業の「入り口」をまずは抑えましょう。
誰だって「できればホワイト企業に入りたい!コーヒーだけ飲んでお金をもらいたい!」と考えるのは当然です。それなのに「コーヒーどころかエナジードリンク片手に13時間働いています」というパターンが本当に多いのです。
ブラック企業は「アピールだけは上手」です。まぁほぼ詐欺ですが。
例えば「月に50万円以上稼ぐことも可能!」という求人。
普通に考えれば「そんなわけあるか」と気づきますが、「真面目な人や切羽詰まってる人ほど騙される」傾向にあります。
「え!50万稼げるの?最高じゃん!」
ただしこの求人には怪しいポイントがあります。
それは「可能」という文字です。
「絶対に稼げる」というわけではありません。求人のなかに「可能」などという「よく分からない言葉」が入ってる時点で「めちゃくちゃ警戒したほうがいい」です。
こういう言葉が使われている求人は「残業分(鬼の残業時間)がすでに入っている」場合がほとんどです。さらに50万円を稼ぐには「絶対に達成できないノルマを超えないといけない」という「条件付き」となっています。
そしてブラック企業の場合は「その50万円からガッツリ経費や謎の手数料を引いてくる」こともあります。
え?それって従業員が負担するの?というようなものまで、従業員に負担をさせて「手元に残るは20万ぐらい」ということはザラです。
ブラック企業のなかにはお金ではなく「やりがい」を前面に出してくるところもあります。
「社会のために」とか「好きなことで生きていく」といった具合です。
このパターンでは「お金」というより「その人の心につけ込む」という感じです。そのため「よし!せっかく仕事をするんだったら、社会に貢献できる仕事にしよう!」とか「人生一度きり!自分のしたいことをしなきゃ損だよね!」などと思っている人が騙されます。
「社会に貢献したい」「好きなことを仕事にしたい」このような「欲求」は程度の差こそあれ誰しも持っていますよね。そういうのを「ブラック企業は見逃さない」です。
ブラック企業が今でも生き残っているのは「新しい人が次々と入ってくる求人を出している」からです。
そのため「パッと見たときに良すぎる求人」は警戒しましょう。特に「内容は良いのにいつも求人に出てる」ような企業は120%ブラック企業なので、求人内容だけ見て直ぐに飛びつくのは危険です。
人間でもそうですが、「第一印象が良すぎる」というのは警戒したほうが良いです。
13時間労働が当たり前
ブラック企業と聞いて思い浮かべるのは「低賃金で長時間労働」ですよね。
蟹工船や苦役列車の世界です。
若い人は一度ぐらいはこの手のバイトを・・・うーん別にしなくてもいいですね。身体が疲れるだけで、そこから特に「人生を変えるようなきっかけを得る」ということはありません。
月収が良くても「時給に換算すると600円」とかになれば、それは立派なブラック企業です。
これは大手企業で働いている人にも意外と多いです。
「確かに給料は良い。だけど時給換算するとヤバい。朝起きて仕事してるだけの生活だ」
ブラック企業は「できるだけ従業員を働かせたい!そう1秒でも長く!」と「強く思っている」ので、労働時間には非常に厳しいです。とにかく長く働かせたいのです。
「従業員が休んでいる姿を見るのが嫌い」という感覚でしょうか。
「休みの日は仕事に備えるために、一日中休養しとけ!」という思考です。すべてが会社中心です。
ブラック企業は「確実に労働時間が長い」ので、ブラック企業を「見極める」のに労働時間は重要な指標です。
仲間との絆づくり
ブラック企業の特徴として「仲間との絆」があります。
これは「従業員同士の絆を深めて、辞めさせないようにする」スキームです。
「上司が部下を必要以上にフォロー」してきたり、「やたら従業員同士の絆を強めようとしている」のは危険なサインです。
ブラック企業では「あるある」ですが、同僚のなかには「完全にブラック企業に洗脳されている人」もいます。この辺りは「危ない新興宗教と同じ」で、目が完全にいっちゃってるのです。
普通の会社だと残業が1時間でもあると「残業1時間は長いって!最悪!」「これは労働基準監督署に報告案件だな…」などと会社の愚痴を言ったりできるのですが、「ブラック企業では自分の会社の愚痴が言いづらい」のです。
なぜなら「ブラック企業の申し子と言うべき先輩や上司」がいるので、その人たちにバレると「仲間を馬鹿にするのか!」などと「絆説教」をされるからです。
このようにブラック企業には「ブラック企業と一体化している人」がいます。会社の方針に「全乗っかり」している状態です。
「一般的な常識」で考えれば「おかしいことだらけ」のブラック企業ですが、そういうところは見ようとしません。
これは10代の学生が「学校だけがこの世界のすべて」と考えるのと同じ感覚です。
「外の世界はもっと広い」のですが、ブラック企業は「外の世界との関係」にも否定的で「会社内の絆」を猛烈に進めてきます。
「懇親会を頻繁にしています!」とか「コミュニケーションが取りやすい職場です!」といった謎のアピールにも注意が必要です。
退職のハードルが異常に高い
ブラック企業の特徴として「信じられないぐらい退職しにくい」というものがあります。
「あのー、折り入って話がありまして…お時間のあるときに…」などと上司に「退職をにおわせる」と死に物狂いで阻止してきます。
「これからだよ!仕事が面白くなるの!」などプラスの面を言ってくるならまだマシで、「お前が辞めたら皆に迷惑がかかる!社会人としてこのタイミングで辞めるのはダメだ!」など言ってくる場合も多いです。
そして「退職させないように」とします。
こういうときでも「サッと辞めることは可能」です。2週間ぐらい前に「辞めるわ、ブラックすぎるやろこの会社」と上司に言えば退職できます。
それなのに「半年前に言え」などと会社側の都合で「強引な引き延ばし」をしてきます。
現在、ブラック企業で働いている人のなかには「辞めたい…」という人もいると思いますが、「辞めると言いづらい」のではないでしょうか。
このような「辞めると言いにくい空気」をガンガンに出してくるのがブラック企業です。
「いま辞めたら皆に迷惑がかかるよ!」「仕事も中途半端だし!」
こういったことは「会社側が考えること」で、労働者には全く関係ありません。
普通は「いや、知らんがな」という一言で済みます。
どう考えてもカツカツの人員しか雇ってない会社が悪いですよね。ただ真面目な人の場合、「確かに…、私のせいで皆の仕事量も増えるし…」などと考えてしまいます。
ブラック企業で長く働いていると「やたら会社寄りの考え」をするようになります。
仲間との絆を大事にさせたりするのも、「辞めさせないようにする」スキームです。人件費を抑えるためには「低コストで働く人材を限界まで使い続ける」のが重要です。求人を出すのもお金がかかりますし、そこから新人を育てるのもお金がかかります。
さらにその新人が「直ぐに辞める」可能性もあるわけです。
こういった「人件費を抑える」ために、ブラック企業では「退職のハードルを上げて」います。
普通の企業の2倍、いや10倍ぐらいの労力を「退職のために使う」ことになります。
それでも、ブラック企業を辞めた後に飲む苦いコーヒーはめちゃくちゃ美味しいと思いますよ。
「この一杯を飲むために私はブラック企業で働いてたのかも」というぐらい達成感があるのは間違いありません。
ブラック企業に入ってしまった時の対処法
ブラック企業に入ってしまったときの対処法としては「一刻も早く退職する」のが肝心です。
1日どころか1秒も無駄にしてはいけません。
「とにかく辞める」のが重要で「いまやってる仕事を最後まで…」とか考える必要はないです。
また退職を伝えるときに「ほぼ脅しのようなことを言われる」ことも考えられるので、「ICレコーダーを準備する」のも有効です。
こうすることで「脅しのようなことを言われたとき」も、「やっぱり言いおった!バッチリ録音してるで!」と冷静に対応できます。いや「もっと脅しの言葉引き出したる!」というぐらいで退職を伝えるほうが良いです。
「こういう余裕のある態度」が大事です。「おどおどしながら退職を伝える」のが最もダメで、それでは「相手の土俵に立つ」ことになります。
「こんな漆黒のブラック会社絶対やめたる!」という気概が必要です。
そして「辞める」というのは誰にも言わないようにしましょう。
これは「辞職を伝える前」もそうですし、「上司に伝えた後」も同様です。
「定年までずっと働きます!ブラック最高!」という感じで辞める日まで働きます。
人間とは「噂話が大好物」です。
居酒屋に行くと、どの席からも「人のうわさ話や悪口」が聞こえてきますよね。
「なるべく自分がその肴にならない」ためにも、「絆最高っす!絆でご飯3杯はいけますよ!」というフリは続けておきます。
「〇〇さん、なんかいなくなったね。元から存在感薄かったけど」というのが理想で、ブラック企業の人間関係は「できるだけ清算したほうが良い」です。
まとめ
ブラック企業に入ってしまうと「貴重な人生の時間を無駄」にすることになります。後から笑い話に変えることができたら良いのですが、多くの人は「精神的・肉体的に疲弊」します。
そのためまずは「あまりにも良すぎる求人」を徹底的に疑いましょう。
さらに「気づいたらそこはブラック企業だった」という場合は、「絶対に辞める」という強い気持ちを持つのが重要です。
ブラック企業の同僚などから多少嫌われるかもしれませんが、「それは支払うべきコスト」として受け入れサッサと辞めるのが一番自分の為になります。
【仕事量が半端ないとき】
【ブラックというより自分が無能かも…という人は】