「自信がない」。実はありふれたことのようで、けっこう重たい問題です。
「自分なんかができるわけがない」「なぜかずっと周りの視線が気になる…」など、自分自身を否定する言葉が頭の中をぐるぐると回り、道ばたにある空き缶をカランコロンと蹴飛ばし、自分の無力さを憂いてしまう。こういう状態が続くと、日常生活がつらくなり、人間関係や恋愛、仕事や趣味まで、あらゆる場面で気分が落ち込んでしまいます。
今回は、自信がない人の特徴と改善方法までご紹介します!
自信がない人は「完璧主義者」であることが多い
臨床心理士で心理カウンセラーの吉川美咲氏は、自信がない人について次のように述べています。
「自信がない人の多くは、強い完璧主義的な傾向を持っています。彼らは『すべて完璧にできなければ失敗と同じ』と考え、小さなミスさえも許容できません。そのため、ほんの些細な失敗でも『自分はダメな人間だ』と極端に落ち込み、自己肯定感を失ってしまいます」(参照:吉川美咲 臨床心理士・心理カウンセラー)
吉川氏はさらに、「完璧主義は長期的に見ると、自信を削ぐ要因になる」と指摘しています。つまり、自信をつけるには、完璧主義的な考え方を少しずつ緩める必要があるということになります。
自信がない人の特徴
自己評価が異常に低い
自信がない人は、自分の能力や価値をあり得ないほど低く見積もっています。どれだけ周囲が評価していても、「偶然だ」「自分に実力なんてない、トホホ」と音速で否定するのです。さらに、ちょっとした小さなミスをしただけでも「やっぱり私はダメだ。またいつものようにミスをしてしまった」とすぐにこの世の終わりのように落ち込んでしまいます。
人の評価を過剰に気にする
他人からどう見られるかを常に気にしていて、自分の本心や考えよりも「周囲の評価」を優先します。そのため、人前で素直に意見を言えず、他人の顔色を伺います。この状態が続くと、自分の軸がなくなり、何をするにも不安がつきまとうようになります。
決断力が弱く、行動が遅い
自信がない人は、物事を決めるとき異常なほど慎重になります。「これで失敗したらどうしよう」と考えすぎて決断が遅れ、チャンスを逃してしまいます。大きな決断だけでなく、日常の些細な決定でも迷い続け、時間を無駄にしてしまいます。
過去の失敗にとらわれている
自信がない人は、過去の小さな失敗や後悔にいつまでも囚われています。「あの時、あんな失敗をした自分だから」と何度も自分を責めてしまい、新しいチャレンジができなくなります。過去を気にするあまり、現在や未来に前向きな行動ができなくなります。後悔を後悔するという地獄の負のループから抜け出せません。
ネガティブ思考がクセになっている
何か新しいことを始めようとしても、「きっと上手くいかないはずさ」「自分にはできないということを、自分が一番分かっているよ」とマイナス思考だけは、ナルシストに決めてきます。このネガティブな考え方がクセになっているため、成功体験を積む前に自ら諦めます。
自信がないを改善する方法
小さな成功体験を積み重ねる
自信をつけるために最も重要なことは、小さな成功体験を積み重ねることです。自信がない人は、いきなり大きな目標を設定しがちですが、それでは失敗の可能性が高くなり、かえって自信を失います。
最初は「朝起きる」「毎日ストレッチをする」といった、ごく簡単で確実に達成できることから始めましょう。
大切なのは「達成感」を感じることです。「これぐらい誰でもできる。」と思えることを毎日続けます。そして、どんな些細なことでも「やってやったで」と強引に達成感を脳に刷り込んでいきます。
完璧主義をやめて「70%ルール」を導入する
自信がない人は完璧主義に呪われている状態ですが、完璧にやろうとするほど自信はつきません。なぜなら「完璧にはできない」のが普通だからです。「そもそも完璧とは」という哲学的な疑問もわいてきますし。
そこでおすすめなのが「70%ルール」。
「70%程度できればOK」という基準を設けるのです。完璧ではなくても、まず行動することを優先します。実際にやってみると、「完璧にできなくても誰も気づかん」と気づきます。
それぐらいの基準でも、一般的に客観的に見ると「成功」です。
完璧主義から解放されると、行動が増え、成功体験も増え、自信が自然と身についていきます。
人と比較するのを意識的にやめる
自信がない人ほど、他人と自分を比較して落ち込みます。しかし、他人と比較すること自体が非現実的です。環境や能力、経験が違う人と自分を比べても意味がありません。
それよりも、昨日の自分と今日の自分を比べるようにしましょう。ほんの少しでも成長していれば、それが自信につながります。
人との比較ではなく、「昨日より良くなった自分」を基準にすることが、自信を育てるための重要なポイントです。
失敗を恐れない環境をつくる
失敗を過度に恐れていると、自信はつきません。失敗は誰にでもあるもので、そこから学べば良いのです。
具体的には、「次どうするか?」に意識を向けます。そして、その失敗も「自虐ネタ」に消化してしまいましょう。「ちょっと盛って笑えるストーリーに変える」と飲み会などで使える鉄板ネタに変わります。
失敗への捉え方が変われば、新しい挑戦も怖くなくなり、自信を持って行動できるようになります。
まとめ
自信がないという問題は、多くの人が抱えているものです。ただし、自信がないのは「性格だから仕方ない」と諦める必要はありません。
重要なのは、自信をつけるための「具体的な行動」を始めることです。
完璧主義な性格をぐっと緩めて「ちょっと基準を下げて」行動すると自然と自分へも「大らかな気持ち」になり、他人の視線に対しても「大らかな気持ち」に変わってきます。周りは自分ほど完璧主義者でなく、「緩い考えを持っている」ものです。
「自分が思うほど、周りの人は自分のことについて何も考えていない。故に私も周りのことを考えなくてもいい」となります。自身がない人はこれぐらい「あえて考えないほうが上手くいく」ものです。動物のように直感的にイキましょう。
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