副業を考えている人に、新たな提案として「狩猟」がおすすめです。
プログラミング?自転車で配達?ちょっと古いですね、時代は狩りですよ。
ただ狩猟の場合は稼ぐ副業というよりも、「社会貢献」といった面が大きいので、お金はもらえてラッキーぐらいの感覚のほうがいいかもしれません。やりがいと公共性の高い副業です。
今後、狩猟の重要性は増してくる(シカ被害深刻化、地方の過疎化)
まず現在深刻になっているのが、「獣害」です。これはシカやイノシシなどが、山奥から人が住んでいるエリアまで下りてきて直接被害与える危険性もあります。
また「農作物への被害」が深刻で、農家の人たちにとっては死活問題です。数カ月から半年にわたって、育ててきた農作物が、一瞬にしてシカやイノシシに食べられると被害は甚大。近年は被害額が「200億円」にも達しています。(※1)
被害が増えた要因として環境省によると、「雪が少なくなり、生息できる場所が増えた」「ハンターの減少・高齢化」「耕作放棄地の増加、過疎化・高齢化等に伴う人間活動の低下」を挙げています。(※2)
「狩猟免許所持者数」は51万人から約18万人に減少しています。さらに高齢化が進んでいるので、実際に活動しているのは、もっと少なくなっている可能性があります。
さらに地方では町自体も高齢化が進んでいて、よりイカやイノシシが人間が住んでいるエリアへと活動の場所を広げています。そのため、直接人間が被害になるリスクも増加しているのが現状です。
このような状況なので、国や市町村でもシカやイノシシを駆除すると「報奨金」を設定しています。
シカやイノシシの「耳」「尻尾」を切って持っていくことで、本当に駆除したか確認する様子。(捕獲写真、鳥獣捕獲活動書も必要※3)
また鳥獣によって「ランク」が決められていて、報奨金も違ってきます。大体1,000円ぐらいから10,000円の間。市町村の被害レベルによって報奨金も違います。(※4)
副業のなかでも、「国や市町村から報奨金がもらえる」のはなかなかないので、「社会に貢献してるな!」という実感も持てるのではないでしょうか。国が報奨金を出すということは、「公共性がある」ということです。
さらにハンターとして、森林で活動することで「人間に近寄ったら危ない」と鳥獣に伝えることができます。そのため、間接的に「人的被害を減らすことにも貢献している」と言えるかもしれません。
農林水産省の資料を読むと、「今後も鳥獣被害は増加・拡大するのは確実」と感じます。もしかすると、地方では「それなりの市街地」までシカやイノシシや猿が出没する機会が増えてくるかもしれません。
そして、「ハンターになろうとする人も少ない」ので、ハンターの重要性はますます上がりそうです。
ハンターとして活動するときの注意点
ハンターとして活動したときの注意点としては、「むやみやたらにSNSで発信しない」ほうが良いです。
さまざまな人がいるので、「動物の命を粗末に扱わないでください!」と大変な血相で逆に狩られる危険性もあります。
そのため、狩りに行って鹿の切った耳や尻尾を持って「2万円げっとぉぉ!!経験値上がった」などとSNSで発信しないほうが良いです。
粛々と活動するほうが、自分の身を守るためにもなります。
また「お金(稼ぐ)を目的にするのもリスクがある」と思います。当然ながら、狩りに行って毎回稼げるわけでもありません。
さらに報酬がもらえるのは「結構後になってから」らしいです。つまり、狩りに行って「取れました」と申請しても、その場でお金はもらえません。
そのため、「家賃を払うためにも、きょう絶対に狩らないと・・・」と目がギンギンになって狩りをする人には向いていません。
そもそも農耕民族でハンターに興味がある人が少ない説
個人的には、非常にハンターに興味があります。
ただ、そもそも我々は農耕民族で、ハンター的な狩りをするのに向いていない可能性もあります。
例えば、狩猟免許を持っている人は全体としては減っていますが、「網やわな猟の免許は増加している」のです。「銃を使った」狩りが減っています。(※5)
何とも農耕民族らしい傾向が、実際の数字からも読み取れます。
また、私の周りを見渡してみても「狩りに行きそうな人」はあまりいません。「狩りに行く」と言って「おっいいねぇ」と興味を持つ人は、50人に1人ぐらいの感覚です。恐らく、実際に行く人となると、もっと割合は下がります。
ただシカやイノシシなど鳥獣による被害は、今後、確実に増えていきます。そのためにも、若い人たちが「よし、ちょっと狩りに行くか」と気軽に行ける環境づくりが必要です。
何も銃を使う必要はなく、網やわな猟でもいいですし。
そして狩りをすることで、我々が普段スーパーで買っている肉は、「あの形になる前があるんだな」と体感できて、食育にもつながりますよね。
また自分で狩りをして、肉を食べることで、人間が本来持っている「感覚」みたいなものが研ぎ澄まされる気もします。狩りに興味がある人は、下記の環境省のホームページを確認してみてください。
【参考】
※1、2、5:農林水産省(鳥獣被害の現状と対策)