2021年3月現在では、当たり前のように「ブラック企業」や「ブラックリスト」という言葉が使われています。
ただ昨今の状況を考えると、「そろそろアメリカで使えなくなる用語」と推測できます。特に「ブラックリスト」。
すると、「直ぐに日本でもその考え方が輸入される」ので、今のうちからネガティブ・ポジティブな言葉は避けたほうが良いです。
これは遅かれ早かれ起こる現象なので、「そういうものだ」と考えて自発的に対処したほうが建設的です。
ネガティブな意味の「ブラック」は使えなくなる
We’re starting with a set of words we want to move away from using in favor of more inclusive language, such as: pic.twitter.com/6SMGd9celn
— Twitter Engineering (@TwitterEng) July 2, 2020
アメリカのツイッター社では、上記のように、2020年の7月時点で、「ネガティブな意味でのBLACK」の使用の変更を検討しています。これが一番大きいです。
たしかに、考えてみれば「ブラックリスト」の意味が「警戒が必要な人や債務者」で、その反対の意味で「ホワイトリスト」が使われているのは、「違和感」があります。
この動きは言葉狩りの雰囲気もありますが、もしブラックリストが「イエローリスト」だったら、さらに違和感を覚えるかもしれません。
現在は「ブラック企業はあかんで!」とテレビの報道番組でも使われていますが、そろそろ「ブラックという言葉をネガティブな意味として使っていいのか」という声が出てくると思われます。
人権問題に関心が強いとされている朝日新聞でも「ブラック企業」という言葉を使用しているので、まだ時間はかかると思いますが。
(※参考:朝日新聞の「ブラック企業」のトピック一覧ページ)
日本は「外圧に弱い」ので、「Twitter社やアップル社など世界的に影響力のある企業が『ブラックリスト』など差別につながる用語を使わなくなった」と大手米紙やBBCが報じれば、直ぐに右に倣えの精神で、追随します。えらいこっちゃ!と。
そもそも、「ブラックリスト」や「ブラック企業」を絶対に使わないといけない理由がありません。
ブラックリストは「要注意人物・債務者」で、ブラック企業は「悪質な企業」でいいのではないでしょうか。日本の場合は、変に米語を使うのではなく、日本語を使えば良いだけです。
ただし「ブラックカード」などのポジティブな用語はOK
ブラックをネガティブな意味で使うのはダメですが、「ポジティブな意味で使う」のはそのまま変更しないでも大丈夫だろうと思われます。
「それもなんだかなー」と感じますが、わざわざポジティブな意味で使っているのをやめる理由もありません。
「うーん、まぁ、それはいいんじゃない?わざわざ変えなくても」と、ブラックリストなどの用語を使うのに反対している人も、むにゃむにゃと言うのではないでしょうか。
本来は、筋を通すということを考えれば、「人種を連想させる、ホワイト・ブラック・イエロー・ブラウンを『良い意味』や『悪い意味』で使わない」と問題提起するのが普通です。
ただし、こういった問題提起をするとき、「リアル志向で考えれば」わざわざ自分たちのデメリットになることを言う必要もありません。
これは良いか悪いかではなく、そういうものだと割り切るしかありません。
欧米から言われる前に、日本から発信したほうが良い
このような人種問題に関わるセンシティブな問題は、「欧米から輸入される(外圧がかかる)」のをただ待っている状態になることが日本では多いです。
日本からの積極的な発信はできないんじゃないか?と言われれば、そんなことはありません。
以前、韓国と貿易摩擦が起こったときに韓国に使われていた「ホワイト国」という言葉を、日本は「グループA」という呼称に変えました。(※参考:Wikipedia)この感覚です。「誤解を招く恐れがある」として変更することは十分可能です。言い訳といいますか、実際そうですよね、日本ではブラック企業を差別用語として誰も使ってなかったです。朝日新聞も使っていたぐらいですし。
こういう人権問題を、「できれば日本から」世界に向けて、「その地域に住んでいる少数派への差別はやめましょう」というのを伝えたほうが良いと思います。特定の人種ではなく、世界中にいる少数派の人権を守りましょうと。