再生可能エネルギーで「小水力発電」が徐々に「規制緩和」のほうに流れています。日本の地理的な形状を考えると、山が多いので「水力発電」も向いてそうですよね。現在では、発電機も改良させて「一般市民でも手が届く」価格になってきました。
しかしまだまだ問題点が多いなぁと思うのが「小水力発電」です。それでも再生可能エネルギーのなかでは「実直」な感じがして個人的には好きな方法です。
小水力発電とは
「小水力発電」は、名前の通り「小さい規模の水力発電」です。水力発電は再生可能エネルギーとして考えられているので、現在の政府も環境保護への観点から積極的に進めている政策になっています。そのため小水力発電は「規制緩和」の流れへゆっくり向かっています。水力だけに。
何が規制緩和されたかというと、小水力発電を設置するときに「農業用水路」の使用の際の手続きが簡単になりました。これは「以前から農業用水路」を持っている場合に限って「登録をするだけ」で基本的には小水力発電ができるようになります。(※参照:小水力発電に係る従属発電について登録制を導入(登録制について))
そしてこうした政府の政策の後押しを受けて、小水力発電の発電機も「1台150万円」から購入可能で、1日あたり24kWhということです。(※参照:EMIRA)1ヶ月に換算すると、最高で2万円ぐらいは稼いでくれるようです。
NTN、用水路壁面に設置できる小水力発電装置「NTNマイクロ水車」 7月1日発売https://t.co/r3FPEpkSLs pic.twitter.com/xyBbcZtXih
— 日刊工業新聞電子版 BizLine (@Nikkan_BizLine) 2017年6月22日
ということは年間24万なので、元を取るとなると、上手くいけば大体6年ぐらいです。
いや全然アリやん!と思うのは私だけでしょうか。非常に魅力的だと思います。エコだし。
小水力発電の問題点は
小水力発電の問題点を挙げるとするなら「ややこしい」という点です。現在、農業用水路を持っている人でも、登録することは可能ですが
「好きなだけ河から水を引っ張ってくる」ことはできません。事前に申請したぶんだけしか発電することができません。そのため上記の計算式も「最大で2万」ということになります。実際はもう少し低い可能性も十分にあります。(たぶん半分ぐらいかな・・・)
さらに「新規で小水力発電にチャレンジ!」と考えても申請がめちゃくちゃメンドクサイし、時間が掛かります。新規で申請すると大体5か月程度は時間を見ておいたほうが良いです。(※参照:国土交通省 小水力発電に係る従属発電に関する手続の簡素化・円滑化(登録制の導入))
後は、「水を引っ張ってくる河のランク」も重要です、1級河川とか普通河川とか。
手続きが煩雑なのもありますが、あとは「そもそも土地(水を使う権利)を持っていない」ということですよね。水を流して小水力発電が置けるような土地を持っていないと参入できません。
さらに「小水力発電」なので、個人でする場合は「小遣い程度と地球に貢献しているという満足感」がモチベーションになりそうです。簡単にいえば「そこまで稼げる事業ではない」ということですね。あくまでも個人でした場合ですが。
小水力発電の今後
今の流れを見ていると「多少は増える」のではないでしょうか。投資信託のように「権利を分割」して小水力発電の権利を少額から購入することもできるように・・・ならないですね。
しかし地方に暮らしていて「現在、農業用水路持ってる」という人は、お近くの「国土交通省の河川事務所」か「市役所」などに問い合わせてみましょう。
おそらく、発電機費用150万を回収できるのは「10年ぐらいかかる」可能性が高いと思います。個人的には、それでもやれるならやったほうが良いと感じています。太陽光のように誰でもできませんし、「まだそこまで流行っていない」のもメリットですよね。