外交官ナンバーの車が堂々と路駐をして、テレビクルーから注意をされ「全然気にしていない」ニュースが話題になっています。しかしこれは、これまで日本側の対応の当然の結果です。
「何も言って来なければ、わざわざお金なんて支払わない」ですよ。
これはいくら自分がお金を持っているとか関係ありません。
【独自】外交官車が駐車違反金“踏み倒し” 悪用される「外交特権」
東京都内で駐車違反をした外国の外交官ナンバーの車が、放置違反金の支払いを無視し、時効を迎えたケース、「踏み倒し」が、年間3,000件にのぼることがFNNの取材で初めてわかりました。https://t.co/ZsAZ4FMocO#FNN pic.twitter.com/UJHde6bPAc
— FNN.jpプライムオンライン (@FNN_News) 2019年4月24日
外交官ナンバーの車とは?どうして路駐をするのか
外交官は、外交特権で日本国法の適用対象外となり、自動車税の納付義務等も課されない。外交官の車両のナンバープレートは外務省から発行され、俗に「ブルーナンバー」や「外ナンバー」と通称される。
そのナンバープレートには、青地の板に、白色で「外」または「領」や「代」の一文字と4桁または5桁のアラビア数字が記される。なお、4桁の数字の前には”‒”が入る場合がある。
引用:Wikipedia(日本のナンバープレート)
外交官ナンバーですが、上記にもある通り「路駐をしても大丈夫」ということではありません。単に「自動車税の納税義務等」がないだけです。そして外交官が違法に路駐して反則金を支払わないのは「治外法権」の解釈に違いがあるのではないでしょうか。
ウイーン条約においては、外国の公使館および外交特権を所持している外交官に認められる。また正式訪問中の国家元首や首相、外務大臣、国内に停泊中の公用船(軍艦含む)、公用機(軍用機含む)の内部に適用されると解される
引用:Wikipedia(治外法権)
治外法権には上記のようなことがあるのですが、「ハッキリと明確な線引き」は難しい様子です。さらに「公用機の内部に適用される」とあるので、外交官が車のなかや領事館にいるときには「治外法権」が適用されるものと考えられます。
普通に考えたら「それだと路駐はダメじゃん」と考えるところですが、「大きく考える」と「車の中にさえ入ればOK」という感覚になります。最悪、車に乗って直ぐに領事館に入れば大丈夫です。そして駐禁だけのために、所轄の警察が領事館のインターフォンをピンポーンと鳴らし
「あのー、すみません、路駐の違反金の支払いがまだなのですが・・・」と行くとは思えません。手紙を送っても「くしゃくしゃ」と丸めてゴミ箱行きでしょう。
外交官ナンバーがルールを守らないのは日本の警察取り締まらないから
外交官ナンバーの車が路駐をして、それを日本の警察では「完全に取り締まることができない」ですね。
もしかしたら「スルー」をするかもしれません。自分が警官になったとして考えると、たまたま通りかかって外交官ナンバーが路駐をしているだけだと「まあメンドクサイからいいか」と思いますよ。
ただそのときは切符を切ったりするかもしれませんが、ただ切符を切るだけですね。お金を取るのは無理です。拘束力がないのにわざわざお金を払うのは、よっぽどルールを大切にしている人だけですよね。
仮に自分が中国やロシアの外交官だったら、「日本の駐禁の支払いなんてするわけがない」です。おそらく、上司からも「あぁ日本の道路で違反をしてもお金は払わなくていいよ」といわれているはずです。駐禁を切られたら、同僚に「日本の警察に金払えって言われたんだけど、こういうときどうするの?」と聞きますよね。すると「あぁアレは儀式みたいなものだから、何も気にする必要はない。次からも同じところに止めても問題ない。それより寿司でも食べにいこうぜ」と言われておしまいです。
「今まで支払っていないのに自分から支払いだすと、これまで支払っていなかった人たちが間違っていたこと」になるので、そこは払いませんね。
日本の行政がしっかりしないとダメなんでしょうけど、実際問題としてはなかなか対応が難しい事案ですね。たかが路駐、されど路駐です。