キングコング西野さんの作品無料開放に見るBOPビジネス

キングコング西野さんが「えんとつ町のプペル」を無料開放

キングコングの西野さんが炎上中ということで、早速その内容を見てみました。

どうやら、彼の作品であるえんとつ町のプベルが無料開放されたということです。

批判している人は

  • 仲間のクリエイターに売上が分配されない
  • また炎上商法/li>
  • なんか腹立つ

といったところでしょうか。

仲間に売上が分配されないようになる、というのは、西野さんのブログの中で「既に給料は支払った」と書かれているので問題はないでしょう。契約の問題で、歩合ではなく定額制だったということだと思います。

そして、彼が今回、作品の一部を無料開放したきっかけというのは「子供が購入できないため」ということらしいです。彼が絵本を描く目的の一つとして、「子供たちが喜ぶような本を描きたい」ということなので、その辺りの想いというものが「無料開放」ということになったのでしょうか。

ということは、金銭的な部分を考えると、物や商品を買うことが出来ない人(所得が少ない)に向けての商売をしたいということであるようです。

今回はこの件を、BOP(Base of the Economic Pyramid)ビジネスと結び付けて考えていきます。

BOPビジネスとは

世界の途上国と言われる、一日の所得金額が「1000円以下」という人たちへ向けてのビジネスのことをいいます。

言い換えれば、お金を持っていない人たちへ向けての商売です。

恵まれない環境にいる人たちの生活を向上させたい、と考えてアフリカなどに進出する企業もあります。世界には、一日の所得金額が「1000円以下」という人たちが、約40億人います。これは全世界人口の約7割にあたると言われています。

なかには、純粋な気持ちで「子供たち生活の向上を!」「世界をより良くする」と強い気持ちで進出する企業もありますが、長く続かないところもあるようです。

その理由としては、やはり「採算が合わない」ということでしょうか。

高いものは当然売れません。100万円の自動車は売れません。または、1万円の自転車というのも売れないでしょう。日本で売っているようなしっかりとした丈夫な製品というのは必要とされていない場合が多いです。

そもそも、自転車で走れるような整備された道路がないかもしれません。

自転車といった乗り物よりも、「とにかく歩くことよりラクで、安い方が良い」と現地にいる人たちは考えているかもしれません。

つまり、現地の人たちが本当に必要としているものと、企業が考える商品の間に差があることです。

そして、何よりも大切なことは「利益が出ない」ということです。会社の調子が良いときは、「よし、途上国のためにひと肌脱ごう」という気持ちになりますが、調子が悪くなるとそれが出来ないのです。ない袖は振れないのです。

ただ、企業のほうも当然ながら「もう少し先」を見据えて事業をしています。現段階では所得が「1日1000円以下」でも、もう少し時が立つと給料が増えるかもしれません。その時を見据えて、今は「多少のコストはしょうがない」とも考えていると思います。

いわゆる、ブランド戦略というもので、「先にブランドを知って貰う」その後で、給料がより多く貰えるようになったら、より利益が出る付加価値のあるものを購入してもらうということです。

このBOPビジネスというのを考えるときは、やはり「しっかりと利益が出る見通しがあり、継続して商売が出来るか」ということが大切だと感じます。ボランティアですることも本当に重要ですが、そのボランティアをするためにも費用はかかります。

長い期間でのBOP層へ向けての支援ということを考えるなら、その層へ向けて利益の出る商売をすることが大事なのではないでしょうか。

今回の西野さんの件と関連づけてみます。

今回の方法は短期的な収益で見ると成功している

西野さんの絵を描くという目的は「子どものため」です。しかし、それだと採算を合わせることが出来ません。なぜなら子供たちはお金を基本的には持っていないからです。

ただ、ブログの中でも書かれていましたが、「より多くの子供たちに知って貰う」というブランド力を上げることは成功しています。さらに、それを発表する場所が「ブログ」ということも「売上」になります。

おそらく、ただツイッターで発表するだけでは直接「売上」にはなりませんが、西野さんが利用しているラインブログをスマホからみると、記事のページに広告が何個か貼り付けられています。1クリックの単価がどうのこうのではなく、PV数などに応じて固定で収入をもらっていると思いますが、この宣伝をブログで行いそのブログに人を流すことで、「絵本を売ることとは別の売上」を得ています。

つまり、絵本という直接のモノではなく、それに関連する別のモノで売上を上げるということです。

そして、「無料にする」タイミングというのも絶妙だと思います。テコ入れをするにはちょうどいい時期だったのではないでしょうか。

あとは出版社と折り合いが上手くいくのであれば、良いとは思います。

このインターネットサービスなどを利用して、本来売りたいものに関連する「別のモノ」で売上を得るということがBOPビジネスにとっても必要となってくるのかもしれません。ビジネス的には成功していると言えます。

ただ、個人的には、今回の西野さんの方法はあまり良くないと感じています。なぜなら、西野さんのような影響力のある絵本作家がインターネット上で「無料開放」をしてしまうと、同じ業界の若手たちのチャンスをつぶしてしまう可能性があるからです。

本来なら、その業界の若手たちが、自分の絵本を知って貰うためにする方法だと感じています。

例えば、村上春樹が50万部以降は、「子供たちは無料で」といったことはやらないだろうし、ジブリも子供向けの作品が多いですが「子供は映画代を無料にします」とはなりません。

中には、「新刊を図書館に置くのが早すぎる」という作家さんもいます。私はどちらかというと、こちらに賛成です。

何か作品を作るクリエイターというのも、「作品そのものとは別の収益源を確保する」という時代なのかもしれません。一つのことだけをしていて良い時代ではない可能性もあります。

それに、何が売り物になるのかを考えなくてはなりません。今回の場合だと、そのブランディングと、ブログなどでの広告収入です。これは有名人だから出来ることなので、一般の人はまた別の方法で商売をしていかなければいけません。

ぼやっとしていると、資金力のある人に根こそぎ持っていかれるので、自分自身でしっかりと現実問題としてのビジネスも考えていく必要があると感じた一件です。

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